️箱根・明神ヶ岳 ~ 中年キューピッド?
2001/2/18

東京生活の初め、高尾山での足慣らしのあとは、もう少し登りがいのある山にと、学生時代の友人と箱根方面に出かける。前日、デジカメを衝動買いして、それを使ってみようということもあって。

単身社宅の狭いユニットバスに浸かっていると、無性に「温泉に行きたい!」という気分になってくるから、私もやはり日本人。露天風呂に入るというもう一つの目的も。

いつも通勤は最寄りの京王新線幡ヶ谷駅だけど、地下鉄日比谷線・小田急線の代々木上原駅も遠くない。つまり、ここから急行に乗れば、箱根湯本までそのまま行ける。で、柏からやって来るS君とは車中で合流、何と、車内で行き先を検討するという具合。結局、箱根外輪山の明神ヶ岳・明星ヶ岳を目指すということになる。

小田原からバス、歩き始めは11時過ぎ、全部で6時間ほどの行程。明神ヶ岳山頂からの富士山は素晴らしい眺め、さすがに箱根からだと近い。
 穏やかな天候だったが、前々日の雪がかなり残った状態で、眺める富士山は真っ白、登山道も大半が雪に覆われていた。

S君はそろそろ花粉症が出る時期ということで、花粉症グッズ満載、GW頃までしばらく山登りはお預けとのことらしい。約20年ぶりの一緒の山登りで、体力の衰えは感じつつ、学生時代と変わらない彼のさぶい駄洒落の連発に閉口しつつも、楽しい一日となる。

当日の代表作を二点。
「メールで花粉症についてダラダラ蘊蓄を書いたけど、うんちくって難しい漢字だな。そう言えば『忍たま乱太郎』の校長も何とかうんちくさい」
「温泉もいいけど、最近は町中にもスーパー銭湯ができてるが、あまり儲かってないらしい、利益は数パーセント」

頂上で富士山をバックにお決まりの記念撮影、そこに同じ趣向の若いカップル、
「すみません。写真を撮っていただけないでしょうか?」
「ああ、いいですよ」

ところが、デジカメというやつは、すぐに電池がなくなる。渡されたカメラのシャッターが下りない。結局、私のカメラで撮って後日メールで写真を送ることに。ふーん、デジカメにはこういう使い方もある。

太宰治なら人を入れずに富士山だけを撮すところだが、そうもならじ、きちんと撮影して聞いたアドレスへのメールに添付。

この女性はS君のお気に入りのタイプのようで、確かになかなか感じのいいカップルだった。若い夫婦かなと思ったら、後日もらったメールによれば、「写真を撮ってもらった時点では、私達はただの友達でしたが…」とあり、二人の仲がこの山登りで急速に進展したようだ。S君と二人、「ボクら、中年キューピッド」なんて。

下山の途中、S君は花粉症がそろそろ発症、そそくさと帰宅。私は、電車を遅らせて箱根湯本駅の上にある「かっぱ天国」という露天風呂に行ったが、あまり大したことはない。小田急ロマンスカーに乗る前に、温泉で躰をほぐしてビールを飲んだら、新宿までぐっすりとなる。

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