️雁ヶ腹摺山 ~ 山登りなんだか、温泉なんだか?
2001/4/21

東京での単身赴任生活が始まってしばらくの頃、退屈で淋しい週末、買い物で立ち寄ったスーパーの一角で目にしたのが、レンタカー会社の赤い看板。
「あっ、そうだ。これがある」

学生時代に登った山にもう一度行ってみよう。あれから25年も経ち、さすがに体力の衰えを感じる今、もう夜行列車で出かけるなんて無理。そこは、よくしたもので、高速道路網は発達し、山奥まで林道が延びている。テントをかついで登った山が、今なら日帰りでも行けるじゃないか。一日レンタカーを借りるのも安くなったし悪くない。山にも春が訪れるのを待ちわび、いよいよい決行となる。

インターネットで会員登録、4月21日の土曜日の予約を入れて、朝から一躍甲州街道を西へ向う。目指すは雁ヶ腹摺山(がんがはらすりやま、地図の字は間違っている)、昔の五百円札の裏の富士山がここからの写真、眺めのよい山のようだ。

ところがどっこい、辿り着いた北側から峠に向かう林道は崩落し工事中。現場のおじさんによれば反対側からなら入れるとのことで、南側へ大きく迂回したところ、こちらは麓の桑西集落がとぎれたところでゲートは冬季間閉鎖のまま。4月25日から開通だと。

「あっちゃー、きちんと調べてくればよかった」と思っても後の祭り。小雨の中、時間をかけて登るのも大儀なのでハイキングは断念。でも、転んでもただでは起きない中年男、近くで見つけた温泉に寄り道、日帰り入浴となる。

真木温泉(地図には鉱泉となっている、泉温からするとこちらが正しい)という山峡の一軒宿は客も少なく、昼間の大浴場と露天風呂をひとりじめ。ゆっくり新緑を眺めながら命の洗濯。いやあ、極楽極楽。

昭和63年に発見されたと言うから、歴史の浅い鉱泉になる。ここのミネラルウォーターも販売している。風呂上がりに飲むと冷たさが最高(これは無料)。日帰り入浴は1000円、宿泊だと少し高めになり一人20000円近い。各部屋とも露天風呂付き。観光地に隣接している訳でもなく静か、東京からも近く、内緒の旅行には最適かも(まあ、しかし、家族と一緒がやっぱり一番かな)。

温泉のあとは、笹子トンネルを抜けて武田勝頼ゆかりの天目山栖雲寺(てんもくざんせいうんじ)に。ここは禅寺で裏山の斜面が広い岩庭になっている。そして、勝沼のメルシャンワイナリーに(クルマなのが残念)、さらに、日本三奇橋の一つ猿橋へ。盆地からの出口が深い渓谷になっており、そこにかかる木造の橋がそれだ。

山登りのつもりが、あちこちを見て戻る一日ドライブになってしまった。戻りはケチケチで、中央高速の混雑区間はパスして国道20号線を走る。レンタカーは最低の1300ccクラス、営業所が開いて閉まるまでのぴったり12時間で5000円也。

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