️高川山と甲斐のおばちゃん
2002/4/27

中央線沿線、高川山のワンデーハイクに一人で出かける。

高川山周辺図

中央線も高尾から先は、「遠い」というイメージがあるが、電車に乗ってしまえば意外に近い。京王沿線に住むメリット、笹塚から高尾まで350円だもの。JRもあわせて初狩まで1000円ちょっと。バスに乗る必要のないコースだから安あがり。笹塚7:53の電車で、初狩に着いたのが9:30頃、時間も短い。

初狩駅から歩き出して、すぐに里を離れる。分岐の石碑のたもとで靴紐を締めていたら、外に出ていた前の民家のおばちゃんが話しかけてきた。

「今日はいい天気になるよ」
「そうですか、雲が多いですけど、富士山見えますかね」
「大丈夫、だんだん晴れてくるよ。上はすっばらしい眺めだよ。わたしゃ、子どものころから何べんも登ってるよ」
「そりゃ、うれしいですね」
「高川山って、どういうことか知ってなさる」
「いや…」
「あれはね、山のてっぺんに近いところにね、これぐらい(おばちゃん50cmぐらいの幅を手で作って)の川が流れてるんだよ。だから、高川山。今は水は流れてないけどね」
「へえー、そうなんですか」

高川山山頂付近の地形図

地形図を見る限り、山頂付近に池があるわけでもないし、川が流れるとも思えないのだが、何べんも登っているおばちゃんの言うことだし、季節によっては雪解け水が流れることがあるかも。あれだけ自信たっぷりなんだから。

ひと月ほど前に痛めた腰の不安が消えたわけではないので、今日は登りからストックを使う。普通に歩いたら1ピッチでも登れてしまいそうなので、山道に入ってすぐのところのベンチで休憩。

お湯を沸かしてカップラーメン(日清食品のラーメン屋さんが安くて結構いける)を食べていたら、下の方から奇声が…。イカれた若者かと思いきや、障害児童のボランティア引率登山。そろそろお腹が空いてきたのか、私の前を通り過ぎるときに、カップラーメンを覗きこむ子が何人も。
 ひょっとして、そういう団体じゃないかなとの予感もあったので、こちら慌てず騒がず、「美味しいよー」なんて応答。

彼らがもうだいぶ先まで行ったかなと思うころに出発したが、途中の道の悪いところで難渋していた。マンツーマンのサポートをしていたので、余計な手出しはしなかったが、障害児もボランティアも大変だ。かなり叱咤激励もしていたが、無茶はさせてはいけないにしても、ノーマライゼーションと言うのか、普通に扱うことが彼らにとってもいいのかも。

狭い登山道の渋滞になってしまったが、先を急ぐ訳でもないので、「どうぞごゅっくり」と、私も休み休み。それでも、2時間足らずで登頂。ここの標高は976m。山頂は障害者団体ばかりか、中高年登山者、中学生ぐらいの団体登山で鈴なり状態だ。

それで、すっばらしい眺めの富士山は、見えん。

地元のおばちゃんの観天望気ものかは、恐るべし雨男。やっぱり、晴男S君と一緒でないと富士は見えん。したがって、写真もない。

ちょっと下ったところでローソン弁当を食べて、さっさと都留方面へ降りる。麓の林道に出たところで、休憩中の中学生団体と遭遇。賑やかなこと。さっささっさと歩くので、すぐに抜かれてしまう。でも、20分もしたら、だらーとまた休憩している。今度はこっちが先を行く。寄り道してリニアモーターカーの見学を済ませたころに彼らが到着した。

リニア新幹線車両

このJRのリニア実験施設は見学無料。施設の展示自体は大したことはない。でも、月に10日間ぐらいは試験走行があるようなので、500km/hで走るのを間近で見るのは面白いに違いない。ちょっと残念だ。
 中央新幹線は奈良を通るようだからに、これが出来たら、あっという間におかあちゃんのもとへ… しかし、出来るのいつのこっちゃ。

帰りは富士急行禾生から大宮行(!)の電車、高尾乗り換えで5時には社宅に戻る。この「禾生(かせい)駅」、駅員はこれまた元気なおばちゃん一人。甲斐の女性は働き者のようだ。

「禾生って、どういう意味なんですか」
「これはね、稲なんです。のぎへんだけだけど、稲の意味で、稲が元気に育つところということですわ」
「へえ、そうなんですか」
「この字がねえ、パソコンにないらしくて。カタカナの『イ』と『木』を組み合わせて、作るんですって」
「…」

私の一太郎・ATOKでは難なく漢字変換したが、おばちゃんは知らないんだろうなあ。これは外字でも何でもない、変換辞書の問題だろう。そして、何と出来の悪いIME2000でも変換したぞ。こちらも少しは賢くなっているようだ。

ちょうど好い加減の足慣らし(腰慣らし)になった。これにて、腰痛回復宣言。

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