ひとつの時代の終わり?
2002/9/11

奈良の自宅には1000枚を超えるCDがあって、いつもヨメサンに「うちには、よその家にはない家具があるから狭くなっちゃう」とブツブツ言われている私だが、東京に単身赴任となってから、ついぞCDを買っていない。
 何かと物いりで金欠だからだけど、ナマの音楽がいくらでもあるのに、CDを聴く気がしないというのが正直なところ。その1000枚のCDの1/4ぐらい、その前の時代のLPのほとんどを買ったレコード店が倒産した。

ワルツ堂が自己破産申請へ
 (2002年9月11日の大阪新聞ホームページ)

大阪府下トップクラスの老舗楽器・CDレコード店「ワルツ堂」(本社・大阪市浪速区、高井進治社長、資本金4800万円)が経営不振のため11日、店舗を閉鎖し、同日中にも自己破産を申請することが、民間調査機関帝国データバンクの調べでわかった。負債総額は約11億円になる見込み。
 同社は、昭和25年に楽器小売店としてスタート。大阪府下や奈良、京都などで13店のCD販売店を展開し、平成4年の売上高は約53億円にのぼった。
 しかし、ライバルの大型店の大阪進出などで売上高がダウン。社屋新設や不動産取得などの借入金なども膨らみ、不採算店の閉鎖などのリストラも成功しなかった。

来る日が来たという思いとともに、私の青春も過ぎ去ったという思いが… 
 昔の毎日ホール1階にあった堂島店、クラシック担当の名物店員だった大井ツヤ子さんがワルツ堂を辞められたときにも、私にとって一つの時代が終わったと感じたが、それにしても、自己破産とは…

ワルツ堂堂島店に初めて足を踏み入れたのはいつの頃だろう。

紅顔(?)の中学生のときなのは間違いないけど、そうすると、もう三十年以上も前か。その後、東京での大学時代や社会人になった後も、少しご無沙汰したことはあったけど、いつもいつもレコードを買うわけじゃないのに、だらだらと大井のおばちゃんとだべっていたことを思い出す。生意気なガキ連中をかわいがってくれたなあ(そのなれの果てで、何だかんだとクラシック音楽ネタを書いている)。

先日書いたばかりの「椿姫」にしても、Angelのモノラル録音盤を買ったのはこの店。それを貸してあげた女友達が、とても演奏を気に入ったので、気前よくあげたのはいいが、やっぱり自分も買い直し、揚げ句の果ては、ずっと後に出た音楽の友社の復刻CDまで買ったなんて想い出も…

LPの全集セットばら売り(インナーの袋単位)なんて、やっていたのは恐らくこの店だけではないかしら。
 この時代にはありふれた倒産のニュースだが、寂しさも一入。

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