冬が来れば思い出す ~ てっちり
2002/12/1

本格的な冬はこれからだが、今シーズンは早くも「てっちり」に二度行った。やっぱり寒くなると、これだなあ。

大阪で行きつけだった店が、東京にも進出しているのを知ったのは1年ちょっと前。大阪では「ふぐ将」という名前だったが、東京進出のころに「下関ふぐ」という名前に改称。今はこの名前で東京にもチェーン展開しているようです。1年前は5店だったのが、さらに増えているようだ。

東京人の食生活では「ふぐ」はポピュラーとは言えないが、最近はこちらのスーパーでも見かけるようになった。何と言っても高級魚、スーパーでも美味しそうなものだと相当に値が張る。しかし、この店は「てっちり」が1980円という破格の値段。寄せ鍋やちゃんこ並だ。安いと言っても内容は充実、注文後に捌くので皿の上の切り身がピクピクしている。

主なメニューは、てっちり(ふぐ鍋)1980円、てっさ(ふぐ刺し)980円、唐揚げ1480円、湯引き(皮刺し)600円、やきふぐ1980円、ひれ酒700円、注ぎ酒450円。
 これがどれほど安いかは、ふぐを食べたことのない人には判らない。付出し(ふぐのキモ)、てっさ、湯引き、唐揚げ、てっちり、雑炊で、標準的なコースだが、大阪でもそれなりの店だと12000~15000円(もっと上もある)。それがこの店では4980円のコースとなる。

昨年の12月、電話で予約しようとしたが繋がらず、直接新橋店に突撃したのが東京での最初。7時頃だったので満員、予約がいっぱいで9時頃まで空かないと言う。とにかく年内の予約は無理らしい。ところが「求めよ、さらば何とか」で、たまたま予約キャンセルが出て待ち時間5分で着席。その時は二人で、付出し(湯引き小)二人前、てっさ二人前、焼きふぐ一人前、てっちり二人前、ひれ酒4杯に注ぎ酒が4杯(要は8合)、締めて12830円だった。たくさん飲んで、おなかも膨れて、満足満足。

今年も早々に11月上旬、職場の慰労会で新橋店へ。さすがに、この時期だと予約も取れる。そして奈良に帰省していた11月中旬には、新大阪駅にほど近い懐かしの西中島店へ。このときは昔お世話になった人との会食。ここは、キタのターミナル梅田から、地下鉄で淀川を越えた西中島南方という不便な場所。さる人に紹介してもらってから、シーズンになると何回か足を運んでいた。

久しぶりに行って驚いたのは、西中島店も東京の店と同じになっていること。メニュー・価格は共通なのは当たり前として、テーブルの設備(紙鍋に変わっている)とか器も全て…。おばちゃんばかりだった店員も、東京同様に若くなっている。

東京の店のおねえさんは、なかなか愛嬌があって気が利くし、客の応対も疎漏がないのだが、聞けば本部の研修でしっかり教育されるとのこと。まあ、東京では客に食べ方から説明しないといけないし。店員にも客にも「ふぐ」文化の共通基盤がないところで、多店舗展開するにはそれも必要だろうが、大阪育ちの私には何となく違和感もあるところ。

さて、肝心の味も東西同質化されてしまったのは少し淋しい。この店の「てっちり」は、もともと大阪と東京の差はなかったが、東京の「てっさ」は70点(食感の問題)、「やきふぐ」は80点(たれが薄い感じ)、「ひれ酒」は85点(ひれの炙り具合)、ぼん酢は80点(味がこなれたまったり感が足りない)。そんな東西評価をしていたが、東京が標準になってしまっている。とは言っても、この値段でこの水準の味なら、文句はなし(東京のグルメの友人も太鼓判)。

デフレの世の中はサービス業の質を向上させる。バブル期の東京の飲食店のひどさを思うと、価格破壊ともども結構なこと。

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