️老人と若者 ~ 武蔵野のコントラスト
2002/12/8

同じ街なのに、ここは若者ばかり、ここは老人ばかりと、これだけはっきりと分かれているのも印象的だ。吉祥寺駅界隈の喧噪と、武蔵野市民文化会館の落ち着き。

先月末の土曜日、武蔵野市民文化会館で開催されたリサイタルに出かけた。土曜日のコンサートと言うのはマチネ(昼間の公演)が多いが、この日の開演時刻は午後7時と平日並み。井の頭線に乗り継いで吉祥寺まで行けば、幡ヶ谷からわずか170円。京王線は安い!

午後6時の吉祥寺駅前。商店街、デパート付近、何でこんなに人が多いの?!新宿や渋谷とあまり変わらない。しかも学生ふうの若い人がほとんど。クリスマス、年末も近いとは言ってもまだ11月なのに…

そして、歩くことしばし、どころか、たっぷり。武蔵野市民文化会館に到着。ゆっくり歩いて30分近くかかったかな。でも、五日市街道の夕方の渋滞、歩いてバスを追い越すほどだから、乗らなくて正解。人も車も多いところに、駅を少し離れると古い家並みで道は狭いし…

ここは、一転、老人ばかり。武蔵野市民文化会館は、意欲的なプログラムを格安で提供することで有名、この日のリサイタルもわずか1500円。まあ、しかし、お客の80%ぐらいは老人ではないだろうか。都心のコンサートとは大違い。ここのホールの会員になっている人が多いらしく、開演前に、「あっ、これも行こうかしら、安いわねえ」「私、もう買ったわよ」なんて話しているおば(あ)さんが多い。終演後の吉祥寺行きのバスが混むかと思ったが、それほどでもなし。これは、近くの人が相当程度を占めているということのよう。

武蔵野市と言えば、老人所帯を対象にしたリバース・モゲージ・ローンを最初に導入したことで有名だ。それだけお年寄りが多い町なんだろう。生きている間は、お年寄りが馴染んだ自宅に住めるようにという趣旨で始めた制度のようだが、この長寿時代のこと、自治体に所有権が移るまでには相当の時間がかかりそう。かくして、再開発は遅々として進まずということかな。武蔵野市民文化会館の催しも、市にとって大事なお年寄りへのサービスの一環と考えるのは深読みかな。

そんなバカなことを思いながら、吉祥寺駅前にバスが着いたら、そこはまた若者の世界。土曜日の午後10時ともなれば、合コンで盛り上がったのか、ほとんど酩酊状態の学生の姿も一人や二人じゃない。まったく変な、面白い町だ。

ジャンルのトップメニューに戻る。
inserted by FC2 system