臓物料理で忘年会 ~ 五十嵐シェフの"ad Lib"
2002/12/9

ちょっと早いが、職場の忘年会。ボーナスは減ったけど、今回はかなりの豪華版だあ。何と言っても過酷な夏から秋にかけての仕事が終わり、担当役員の大判振舞い。これは気合いを入れて店を選んだという次第。少人数の職場ながら、忘年会目指して、幹事長I君、旨いもの探検隊長T君を任命、かく言う私は陰のフィクサーかな。さっそく、対策会議、お店の候補をリストアップ。

「ねえ、春にオープニングに連れて行ってくれた、あそこなんか、どう?あのとき食べた鱸のグリルなんて最高だったよね。なかなか雰囲気もよかったし。リーズナブルな予算でやってくれるかな」

「ad Libでしょ。あそこなら、いいんじゃないですか。早速聞いてみましょう。ワイン一人一本として、料理含めて@8000で交渉してみましょう」

男ばかり8人の忘年会にしては場違いとも言えるフレンチ。出かけたのは超有名店らしいが私は行ったこともない「マノアール・ダスティン」の五十嵐安雄シェフの何番目かのお店「ad Lib」。銀座8-12-15八千代産商ビルB1(03-3248-5544)。なお、ランチは1200円ということ。

さて、普段の宴会ならまずビールというところだが、ここではワイン。最初の白ワインはシャトー・ド・カブリヤックという銘柄。これはこの予算では考えられない上物。すっきりと軽い口当たりで、しかも薄いという感じはない。突き出しというのは変だが、オリーブの実が何種か。とても実が締まっていて、店で漬けたのかなあ。

そして、豚の血を固めたソーセージ(ブーダン・ノワール)のスライスがスプーンに乗って出てくる。下にはりんごジャム。ほおうというコンビネーション、何でもこのソーセージ、1本あたり血を1リットル煮詰めるとか。ホントかな。五十嵐シェフの店の定番スターターということらしい。

次に、田舎風テリーヌ、ピクルス添え。豚肉を鳥レバーでつないだものとか。しっとり感は絶妙。あれだけ塩分抑え目のテリーヌは自信の表れとは何度も来ているT君の弁。サラダは白菜と糸状のグリュニエールチーズ。最初、ビーフンかと思ってしまった。チーズは18ヶ月熟成の非常に保存状態の良いものの開けたてをおろしたもの。白菜の茹で加減も絶妙。何という組み合わせ。

さて、いよいよ名物料理、内臓三点セット。牛のアキレス腱、鳥レバー、牛の二番目の胃(トリッパ)・牛の大腸・小腸煮込み。これが五十嵐シェフの大得意料理らしいです。もう、このころになると白ワイン4本は空いて、赤に移る。これも同じシャトーのもの。

ここから、コースが急展開、何故か、イカの塩辛。非常に活きのいいイカから直前に作ったのではと思われる。三陸産牡蠣フライ。衣は少し堅め、逆に中身はややレア感が残っていてという感じ。ペンネの明太子・大葉あえ。パン。何と、おでん。ワインもすっかり空いて、最後にコーヒー。

確かに、肩の凝るフレンチじゃなく、意外なものも飛び出すアドリブ料理。店の内装もカジュアル、ちょっと地下なので入りにくいが、まだ、あまり知られておらず、ここはおいしいものの穴場。
 しかし、まあ、よく飲んだこと。どうやって自宅に帰ったか、よく覚えていないのだから怖い。時ならぬ積雪で足許はあやしいというのに…

ジャンルのトップメニューに戻る。
inserted by FC2 system