️戦場ヶ原を歩く ~ スノーシューか、ワカンか?
2003/2/8

ワカンを買ったのは、いつのことだろう。大学卒業以来、これを使った記憶がないので、20年以上も前のはず。久しぶりに引っぱり出したら、保管状態もよく立派なものだ。亜麻仁油をしっかり塗っていたからか、もともとの造りがいいのか。

デイパックの横にぶら下げて電車に乗っていると、もの珍しいのか乗客がチラチラと見る。「あれは、何だろう」という感じ。山中のバス停の茶屋では、中高年のオジサンに「かんじきの具合はどう。沈まないかね」なんて、何人かに声をかけられた。

それだけレトロな山道具ということか。最近のかんじきはアルミのパイプ製だもの、こんなものを持って(ましてや使って)いる登山者は少ない。

スノーシューを履いて日光の戦場ヶ原をハイキングしようというS君の呼びかけに応じたのは、いつもの私と、独立してコンサルティング会社をやっているM君の二人。最近注目のスノーシューか、日本古来のワカンか。いざ戦場ヶ原へ。

夏の間は道路脇から眺めるだけの戦場ヶ原も、この季節は雪の下。ツボ足じゃないので沈むことはないし、どこを歩いても湿原を傷める心配はない。三本松バス停から西に向かって一気に横断。この季節にしては穏やかな天気、心が解き放たれていく感じだ。男体山、大真名子山、太郎山と周りの山も近くて大きい。

スノシューで行く二人に遅れながら、気分良く歩を進めるが、やっぱりワカンはスノーシューよりも少し沈みが大きい。スノーシューは底が平らで踵も上がるから、クロスカントリースキーのようにペタペタと擦るように進む。こちらは一歩一歩、足を持ち上げる訳で、その分ハンディキャップがある。こんな平地だとスノーシューにはかなわない。

今回のスノーハイクでは、スノーシューに一日の長あり。アップダウンがあるところでは、ワカンの巻き返しがあったかも知れないが、それは実証できず。

「雪の原 洋ものに遅れる わかんじき」
 これがホントのスノー俳句、あっ、川柳か…さむいのは時節柄、ははは。

パタパタというスノーシューの音と、ザクザクというワカンの音。立ち止まると、雪に覆われた湿原を渡る風の音だけ。エアポケットのような世界がある。

戦場ヶ原の西側の自然研究路に出て、湯川にかかる青木橋を渡り、小田代原へは緩やかな登り。ここからの男体山の眺めは素晴らしい。
 帰路は小田代歩道を辿って赤沼まで。3時間あまりのスノーハイク、家族と一緒に住んでいたら、息子達を連れて来たいところだ。クロスカントリースキーを借りてもいいなあ。よろこぶかしら。

浅草7:10発の東武の快速に乗ったので、早起き。さすがに、帰りのバスでは、うつらうつら。山の中で東武グループの割引切符、日光ミニフリーパスを落とすというドジを踏んでしまい、帰りの電車の切符は買い直すという羽目に。あーあ。それでも、運転手さんに事情説明して、帰りのバスはフリーパスさせてもらったから、実損は500円ぐらいで済んだかな。東武バスは好感が持てるなあ。これも、一人じゃなく、同じ切符を持った三人連れのおかげ。いやあ、持つべきものは良き友?

帰りの電車内の酒盛りのせいか、早起き睡眠不足のせいか、浅草に近づくにつれて頭痛が…。
 いつも山登りに持参するロキソニンも忘れたし、コーヒーも飲まなかったし、帰宅してシャワーを浴びて9時就寝、何のことはない、それで翌日は5時にすっきりお目覚めとなる。

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