️近くて遠い ~ ふるさとの桜
2003/4/13

奈良に戻って一週間、まだ引越荷物の整理も終わらず、家の中には段ボール箱が何個か散在という状態。仕事は仕事で、久しぶりに重い課題が、いきなり。とっても疲れる一週間だった。そもそも、オヤジなしで回ってきた我が家に、無事着地できるかという根本的な問題も。

やり出せばキリがない整理をストップ、晴天に恵まれた日曜日、奈良の花見に出かけた。向かったのは大宇陀町、「どこか花見に行こうか」との一言に、「大宇陀の何とか言う桜」とのおかあちゃんの返事。花粉症もそろそろ終わりの季節かな。

それではと、探し出したのが、近鉄の駅に置いていたパンフレット。さすがに沿線に名だたる観光地、年中行事が多いだけに、桜ひとつとっても情報量は抜群。あった、あった、大宇陀の桜、又兵衛桜、別名を瀧桜とか。たった一本の古木ながら、NHKの大河ドラマのタイトルバックにも使われたらしい(私はそんなドラマに興味はないのだが)。

いやあ、これは見事な桜、確かに石垣の上から流れ落ちる瀧のよう。ちょうど満開だ。人はいっぱい、見るからに高そうなカメラを持った中年の多いこと。安物のデジカメで私も何枚かシャッターを押す。

お弁当持参で出かけたのはいいが、あまりの人出、桜の下というのも今ひとつ。「来る道のお地蔵さんのところの古木の下がいいわあ」と、おかあちゃん。「はて、そんなところがあったかな?」

あったぞ、北向地蔵の桜。瀧桜に一直線に向かう多くの人は気づかないが、なかなか味わいのある古木。この下で、お弁当を広げ、向こうの又兵衛桜の喧噪を眺める。それに、北向地蔵の桜の周りでは早蕨摘みのオマケつき。

花見の後は、この古い町、大宇陀を歩く。奈良はどこに行っても古い町だから珍しくも何ともないが、ここは私の生まれた町、榛原町(奈良県宇陀郡)の隣、バスで10分程度のところ。でも、子供の頃に来た記憶がない。子供の行動範囲なんて、たかが知れているから、大人とは距離感が違う。

森野旧薬園を訪れる。ここは裏山に大きな薬草園を持つところ、吉野葛を中心に生産しているもようで、相当の歴史があるようだ。薬草園から見下ろすと、吉野葛を精製するプールが古い町並みの中に目立つ。ふるさとにも知らないところがいっぱいある。

そして、最後はいつものように飲み食いの話になって…
 その一、森野旧薬園で見つけたカタクリの群落。もちろん栽培しているものだが、つい幡ヶ谷チャイナハウス名物、カタクリの花の炒め物を思ってしまう。
 その二、大宇陀の造り酒屋、久保本家の「初霞」大吟醸。うふふ。

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