大阪のスーパー中華 ~ お帰りなさいの誕生日
2003/5/12

大阪勤務に戻ったので、昔の所属の仲間が私の誕生日にあわせて「お帰りなさい会」をしてくれた。もちろん割り勘だけど。それと言うのも、つい最近、ひとりの若手女性総合職が電撃結婚、「よおし、大阪に戻ったら、北京ダック一匹丸ごと、お祝いにおごってやるよ」なんて言っていたものだから。

彼女が職場に配属されてきた頃、この店にみんなで来て、北京ダックを頼んだのはいいが、店のオバサン曰く、「二階のお相撲さんがみんな食べちゃった」だって。以来、北京ダック一匹(当時4000円)が彼女の悲願。あれは、大阪場所のころだった。ここは、数多いお寺が場所のときには相撲部屋に変わる谷町(相撲のパトロンの意のタニマチの語源はこれ)に近い。ともあれ、以来、私はテレビで当の武蔵丸を見ると、北京ダックを連想してしまうから始末が悪い。

そのお店の名前は、「南海飯店」。なぜか、南海ならぬ、近鉄のターミナル、上本町駅の近くにある。私は十代のころから通っているから、もう30年以上になるかな。店は地区再開発の関係で、昔の闇市跡から移転して、大きく、ちょっと綺麗になったけど、バブルの頃にも値上げしなかったし、今でも特大サイズの餃子一人前(4個)が、130円という驚くべき値段。何しろ店の中にソフトドリンクの自販機があり、そんなもので稼ごうなんてケチな了見は一切ない志の高さ。したがって、連日超満員。

東京と大阪で極端に違うのが餃子の値段。東京では料理の一品だけど、大阪では餃子ばっかり食べる客が珍しくない。感覚的には東京の半分ぐらいの値段かなあ。
 この日は、男2、女3の5人連れ、頼んだものを順に思い出すと、小エビの天ぷら、チンゲンサイと貝柱のうま煮、餃子8人前、うずら卵のうま煮、ピターン、北京ダック10人前、五目焼きそば、麻婆豆腐、焼豚…あと何だっけ。アルコールはビール5本ぐらいと、紹興酒のフルボトル2本。締めて勘定が一人頭3000円という仰天価格。私はそんなものだと知っているけど、初めて連れてきた人は一様に驚く。

驚くことは他にもあって、上本町駅からお店への最短コースは、駅前のパチンコ屋のビルの中のエスカレーターを上下して、ひとつ隣の筋に抜けるという経路。しかも、出たところがラブホテル街のど真ん中だから、初めての人は安さもさることながら、ロケーションにびっくりするのが面白い。
 東京では、こんな珍しいもの食べたことないという幡ヶ谷チャイナハウス、スーパー中華を知った私だが、大阪に戻れば、超庶民的なスーパー中華、南海飯店が待っている。

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