️オヤジたちの夏合宿 ~ 木曾御嶽
2003/7/20

「木曾御嶽はすべてガスの中である(^^)」(『梅雨明け前』より)

"東西合同夏合宿"なる企画を出したのは、東京単身時代に何度も山遊びに付き合ってくれたS君。同期の東京の仲間はほとんど所帯持ちだし、私が東京を離れてからは、誘ったらすぐに乗ってくる気楽な仲間も限られる。

東西合同となれば、行先は当然のことながら中部山岳、いくつかの候補の中から、私がまだ登ったことのない御嶽に落ち着いた。久々の3000m峰だ。"海の日"三連休、問題は梅雨が明けているかどうか。なにしろ、この雨男。やはり、無理だった。

三連休をフルに使ってという歳でもないし、そんなことすると、後に疲れが。したがって、土曜午後に木曽福島に集合、その日は麓の旅館に泊まって翌日に一気に登って下りて帰宅、無理をしないと言いながら結構過激なプランになる。しかも、S君は息子(小学三年)連れ、まあ、もう一人の合宿参加者K君と、天気が崩れたら麓の高原で遊べばいいやと、フレキシブルな体勢だ。

御嶽は裾野が大きな山、でも、ロープウェイが各登山口から七合目まで伸びている。したがって、歩くこと3時間あまりで頂上に立てる。驚いたのは、ここではまだ信仰登山が生きていること。「六根清浄(ろっこんせいじょう)」と唱えながら、白装束の一団が何組も。どうも、「ろっこんしょうじょう」が正しいような気もするが、ま、それは21世紀の講中(こうぢゅう)だから仕方ないか。

子供の山歩きはパターンが決まっている。一生懸命、さっさと先頭に立って、オヤジたちを尻目にかける。まして、すれ違う登山者(下山者)から「ボク、がんばってね」なんて声をかけられようものなら…。全力を出すものだから、すぐに休憩、その繰り返しだ。でも、3067m、よく頑張った。さすがに2800mを超えると、かなりバテ気味(オヤジたちも)だったが、何とか山頂の神社に到着。これまでの彼の最高到達地点が草津白根山(2160m)だと言うから、大幅に記録更新だ。

雨男の私、連休前に梅雨も明けなかったし、景色が見えない程度は当たり前という気持ちだけど、スーパー晴れ男S君父子の勢力が強かったせいか、雨がパラついたのは御嶽頂上直下の小屋の前にいたときだけ、それもわずか10分程度。

ちょうど、小屋の前でコンロを出してラーメンを作っていたときに降ってきたので、K君と私は傘をさしながらラーメンを食べていたが、S君父子はさっさと小屋の中へ。高所で濡れて風に吹かれると危険なことは判っているが、それにしてもヤケに素早い。雨に対する慣れの違いかなあ。下山の頃になって、やっと山の姿は見えたものの、どうしても視線は足許の高山植物などに…

行き帰り、とても久しぶりにJR中央西線に乗った。特急「しなの」、もうあのベージュと赤のボンネット型電車じゃないんだ。それに、ずいぶんスピードもアップしている。昔は、上松駅を過ぎたあたりで、特急列車も徐行、車窓から見える「寝覚ノ床」について車内放送があったものだが、今はそれもなく一瞬にして通り過ぎる。前日、黒沢口登山道の旅館に投宿する前に、オヤジ三人と子供一人で見物した峡谷を眺めつつ、時の移ろいを感じた私。

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