えっ、おみやげNo.1 ~ 551蓬莱の「ぶたまん」
2003/8/5

週末の日経新聞の別刷版、「何でもランキング」なる記事を見かけた。今回のテーマは「喜ばれる土産」、サブタイトルには「帰省の時に何選ぶ?」とある。
「なになに、東の横綱が『東京ばな奈』、西は『551蓬莱豚まん』だって、へえー」
 お盆の帰省を前にした企画のようだが、ちょっとヘン。記事も帰省と絡めた書き方をしているが、東京駅などで売っている「東京ばな奈」はともかく、「551蓬莱豚まん」が帰省土産のはずがない。東京の記者がインターネットのアンケート結果だけを見て書いたことが歴然、大阪の人間の失笑を買っていることだろう。

「551のぶたまん」は、おとうちゃんが会社帰りに家族への土産に買って帰るものだ。もちろん、おかあちゃんが、子どものおやつに買って帰ることもあるが。
 これを帰省の新幹線や飛行機の中に持ち込むのは、相当の勇気が必要だ。なにしろ、香辛料もたっぷり。箱から漏れ出す臭いで他のお客さんの食欲を刺激しすぎるのは必定。面の皮の厚い私でも、公共交通機関の中にこれを持ち込むのは30分が限度。

この記事に刺激された訳ではないが、買って帰った、「551のぶたまん」。戦後間もない頃の店の電話番号が551(ここが一番)に由来するとは、新聞記事で初めて知った。「カステラ1番、電話は2番…」と同じパターンだ。中国の縁起のいい数字か何かだろうとずっと思っていた私。

うちのおかあちゃんが今週になっての猛暑でダウン、そこで、帰りに惣菜を買いに寄った京橋の京阪モール、地下食料品売場で目に飛び込んで来たのが551。ところが、この「蓬莱」で色々と買うんじゃなくて、定番「ぶたまん」6個入りだけ。同じ広東料理でも隣の「ハマムラ」で、あれこれ調達するのだから、大阪のお客はシビア。隣の京都のおばんざいの店では、夕方のセール価格になった100円均一の一品と、詰め合わせ折詰の質・量・価格の違いについて、店員に執拗に質問するおばちゃん。それにきっちり答える、これまた店員のおばちゃん。いやあ、真剣勝負、さすが、大阪。

さてさて、「551のぶたまん」、あっという間に、家族の胃袋に。ボリュームがある衣のふわっとした食感、これがいい。コンビニなどで売っている中華饅頭などとは雲泥の差。大阪の人間なら、誰でも知っている「551のぶたまん」。でも、あまりの売れ筋になってしまって、それ以外の料理の影が薄い。

前の週末、長引いた梅雨のせいか、折りたたみ傘が錆びてしまったのか、スムースにたためなくなった。
「かあちゃん、ミシン油か何かない?傘の具合が…」
「ミシン油はないけど、そうそう、KURE551があったはずやわ…」
「それも言うなら、KURE556やろが…」
ことほど左様に、「551のぶたまん」、誰でも知っている大阪。

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