幡ヶ谷再訪 ~ 恐ろしきかな、食い物の吸引力
2003/8/7

毎週のように東京に出張していながら、オペラを観ることもならず、とんぼ返りの恨めしさ。ようやく、今回は宿泊出張、ところがコンサートも夏枯れ、めぼしいものは無い。そうなれば、食べることで憂さ晴らし、出張旅費規程を大幅に下回る格安ホテルに泊まって差額を美味しいものに充当だ。

懐かしの幡ヶ谷、駅近くの無名ビジネスホテルを予約、ここに住んでいたとき、いつも前を通りながら、どんな人が泊まるのかなあと思っていたのに、自分が泊まることになるとはね。朝食付き、税サ込み6930円也。新宿の同5250円のホテルが満員なので仕方なく…

安いのもさることながら、ここにしたのはチャイナハウス(龍口酒家)で晩ご飯を食べると決めていたから。6時頃に到着すると、本日の一番乗り。連れはまだ来ていない。

「マスター、久しぶり。東京はよく来ているんだけど、日帰りが多くてね」
「泊りにすればいいのに」
「なかなか、そうも行かなくてね。ところで、最近はテレビ出てるの?」
「昨日、取材があったよ。今度はクイズ番組だけどね。何て名前の番組だったかなあ?古舘伊知郎が出てくるやつ…」
「はてね、うちの子どもに聞いたら知ってると思うけど、クイズ番組好きだから。それで何の料理?」
「これ(^^)」

ドンとカウンターの上に置かれたのは、大きなビンに入った土のようなもの。
「なに、これ。土みたいだけど…」
「蚊の目ン玉!」
「…!」
「このスープを作ったの。あんまり飲みたくなかったんだけど、取材なんで仕方なく…」

聞けば、蝙蝠の糞を乾燥させたものだという。要するに蝙蝠が食べた蚊、消化されなかった目玉を、糞を湯に溶いて分離するらしい。糞の主成分が沈み、目玉が浮いたところで、すくうのだって。だけど、不純物も浮くものがあるので、本当は飲みたくなかったというマスターの弁となる。

もう、中国人って何を食べるんだか。ちゃんと、蝙蝠の糞が売られているそうな。もちろん(?)、蚊の目玉スープはテレビだけのこと、この日の料理にはない。もし、出てきたら、「栗きんとんの蟻まぶし」以来のぶったまげメニューとなるところだった。

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