️奈良を習おう? ~ 生誕百年、棟方志功展
2003/10/12

JR西日本の駅に、「奈良を習おう」なんて、ひどい語呂合わせのポスターが目につく。どうも秋の観光シーズンのキャンペーンらしい。近鉄の向こうを張って、JRはどちらかと言えば、大阪よりも西の地域からの集客を目指しているようだ。

春や秋のシーズンには、ただでも観光客が多くて、道は渋滞がひどくなる。奈良の住民としてはありがた迷惑のところも。出かけるのは今ひとつだが、三連休の中日、県立美術館で開催中の棟方志功展を観に行く。

県庁の隣が県立美術館なので、近鉄奈良駅からもわずかの距離。ところが、家から車で出かけたものだから、駐車場に辿り着くまでが渋滞。駅近くの公営駐車場は一日1000円、付近の民営駐車場はさらにその上を行く。いい商売をしているなあ。

そこは地元民、春日大社に近い新公会堂の地下駐車場は時間200円ということを知っているものだから、それが逆に徒となり渋滞の渦中に。それでも、満車のゲートから一台出て来たところにドンピシャ、悪運の強いこと。

新公会堂からの緩やかな下り道、公園の鹿はちょうど角切りの時期、頭がすっきりしているなあ。さて、棟方志功展、この人、もともとは油絵を描いていたというのは知らなかった。それに、版画じゃなく、板画と言うことも。極度の近視だったようで、写真を見ると、板に目を擦りつけるような感じで彫っている。へえー、それなのに、あんなに大きなダイナミックな構図がどうして可能なんだろう。不思議。

会場には版木も展示されていたが、よく見ると、部分的に樹脂を流し込んで、再利用できないように加工されている。没後に施されたとのことですが、まだ利用できるなら、そんなことしなければいいのに、と思ってしまう。それじゃ、生前のものの値打ちが下がるということなんだろうか。それなら燃やしてしまえばいいのに、よく判らないなあ。

ほぼ年代順の展示のようだが、やはり後年のもののほうがいい。モノトーンの躍動感もいいけど、彩色のものが訴求力がある。巻物や屏風など、右から左に観るものが多いのに、美術館の順路が左からというのは今ひとつ。国内ものの展示の時には、逆回りにすればいいのになあ。

冒頭の「奈良を習おう」の無料の冊子、よく見たら、表紙の夕日に映える東大寺遠景に重ねて、「なんと(710)美し平城京」だとか、「群れな(607)して荒海渡る遣隋使」だとか、日本史の年号暗記語呂合わせがいくつも…。これが、「奈良を習おう」ということか。
 今どき、こんなことを学校でやっているのかどうか知らないが、「蒸し米(645)で祝う大化の改新」とあるけど、私は、「大化の改新、虫五匹」と覚えたなあ。何故か「虫」が出てくるシュールな感覚、忘れられない。おっと、今は教科書では「乙巳の変」となっているらしい。

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