ほな、行こか(ICOCA)というわけには… ~ 大キャンペーンだけど
2003/11/15

やっぱり出たか、そう、これでなくっちゃインパクトがない。
「ほな、行こか(ICOCA)」とキャッチコピーが書かれた大判のポスターが、JRの駅にたくさん貼られている。女優の仲間由紀恵とのイメージギャップも面白い。並んでいるキャラクター「イコカモノハシ」もとぼけた味がある。

このポスターが貼られたのは、ほんの数日前からだろう。最初は、別の、いまいちのキャッチコピー(だから、覚えていない)。大阪なら「ほな、行こか」でないとね。あ、標準語なら、「じゃ、行こうか」ということ。

今月初めからJR西日本の京阪神エリアで導入されたイコカ(ICOCA)、東京ではスイカ(SUICA)として先発しているものと同じ。自動改札の導入では首都圏よりも10年早かった大阪だが、IC化では遅れをとった。遅れていた方が次世代で先行するのは、設備投資を伴う新技術の導入ではよくあること。

私の周りを見る限り、早速イコカ定期券に切り替えたのは東京の出身者か勤務経験者のようだ。定期券でない通常のイコカを持っている人は見かけない。かく言う私もJR環状線を利用するのに、従来定期券のまま。それには理由がある。

近鉄奈良線からJR環状線に乗り換える鶴橋駅、通しの定期券を持っているから、乗換改札口ではそれを自動改札機に通すだけ、入れる、取り出すの2アクション、ところがイコカに切り替えたら、近鉄線の定期券を入れる、イコカでタッチ、定期券を取り出すの3アクションとなる。しかも、一枚で済んでいたのが2枚になるし、イコカは厚みもある。現時点では、利便性の低下以外の何ものでもないのが実態。おまけに、JRと近鉄線は既にブリペイドカード(JスルーとスルッとKansai)でも相互乗り入れを果たしているから、定期券でなくとも利便性が確保されている。

今月の初めから、鶴橋駅の乗換口では、かなりの混乱が見られる。イコカ使用時の乗換要領が書かれたチラシやポスターが置かれたのは、導入後1週間ぐらいしてからだ。

巨費を投じたイコカの導入とキャンペーンですが、効果を挙げるのは1年後を待つ必要がありそうだ。そのときには、私鉄で導入される同様のICカード、ピタパと相互利用できるようになるからだ。今は、JRを単独で利用する人以外、よほどの新しい物好きでなければ、わざわざ500円のデポジットまでして切り替えるとは思えない。

この500円のデホジットも、関西ではどうなんだろう。使って(買って)ほしけりゃ特典を付けるというのが普通の発想だから。例えば、イコカに回数券のようなオマケを付けるだけでよい。あるいはテレカのような。

イコカはJR西日本ですが、JR東日本に準じた導入のようで、東京の人間が企画しているのが明らか。大阪での商売という発想が希薄のように思える。改版されたイコカのポスターでは、やっと大阪にフィットするものになったから、利便性低下をカバーする価格メリットを付与してほしいものだ。高速道路のETCだって、便利だと強調したところで見向きもされなかったのに、割引を始めて一気に普及しだしたのだから…

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