時分時(じぶんどき) ~ 近鉄沿線友の会(?)
2003/12/3

三年前まで勤務していた大阪、単身赴任解消で戻ってきたら、以前の職場の女性が私のB級グルメリストを大事に保存していたのに驚いた。これは、仕事の引き継ぎ資料と一緒に、頼まれて作ったもの。私のお気に入り、これはというお店のリストだ。

選択基準は、美味しいことに加え、コストパフォーマンスが高いこと。高いお金を出せばそれなりものもが食べられるのは当たり前、いかにリーズナブルな値段で、うまいものにありつくかが大事。

そのリストを見ると、長いものだと30年以上も前から馴染みの店もある。不思議な共通点は、いずれもキャッシュ・オンリーということ。そして、新規開拓のこのお店も、やはりカード不可、現金のみ。どうも、それが大阪の安くて美味しい店の一次選択の基準かも知れない。

四月からの新しい職場でも、「近鉄沿線友の会」なるものを結成して、帰り道に食い道楽。オジサンと美女が二人ずつ。オジサンたちは先に偵察を済ませていたので、これが二度目。本町のお好み焼きの店、「時分時(じぶんどき)」に出かけた。

お好み焼きは、ここの名物、豚たま。そして、本日の串焼きラインアップ全10種盛り合わせを注文、器もきれいだし、一本一本が見た目もユニーク、四人で順番に好きなものを食べていくのも一興、「あっ、それ、私、食べたかったのに」なんてことにも。

写真は12時から時計回りで、地鶏もも肉のアンチョビソース、う巻き、タルタルサーモン、京生麩、海老のXO醤、活け蛸の酒盗ソース、生ハムチーズ・オリーブのせ、地鶏ササミの明太子のせ、ホタテキャビア、トッポギとコンニャクの辛みそ。このうち、私が当たったのは、う巻き、生ハムチーズの二本のみ。

メニューはカウンターの奥の黒板に、それを背景にマスターの写真を撮らせてもらった。ずいぶん若い人。奥さんも美人。4人テーブルが二つに、カウンターが6人ぐらいかなあ。こぢんまりしたアットホームな雰囲気の店で、やかましい団体客が入りようもないのがいい。

この日は、他に、えびパン、神戸牛いちぼガーリックペッパー、豆腐ステーキなどを食べて、ビールと、奥さんに選んでもらったヴェネト産のすっきりとした白ワイン、おまけに焼酎のロック。そして最後は、アサリと水 菜のもやしそば。硬からず柔らかからずのモヤシの焼き加減とそばが見事にマッチした食感、醤油が基調で、ちょっとこれは他にはない味、色々な隠し味があるのかも知れない。

焼きそばの写真の背景に落書きがあるのは、テーブルクロスがわりの大きな紙に書いた地図、何しろ「近鉄沿線友の会」なので、地元ローカルな話題が多い。あそこのタコ焼き屋は安くて美味しいよ、場所はここ、という具合。

「時分時」、冗談のような名前かと思えば、ちゃんと辞書に載っているれっきとした日本語。「ちょうどよい時分。特に食事の時刻をいう。めしどき」。へえー、そうなんだ。私は聞いたことのない言葉だから、古語とはいかないまでも、かなり昔の言い方なんだろうか。

この店からすぐのところ、阪神高速の高架の向こう側には、私のお気に入りのイタリアンレストランがあったのを思い出した。あの店にも行ってみなくては。

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