危険がいっぱい ~ 都会でも、山でも…
2003/12/13

子供のころに、怖い思いをしたことは、後々まで記憶に残るものだ。世の中には危ないことがいっぱいとは言うものの…
 小学生のまだ低学年のとき、一緒に遊んでいた友だちが泥沼に落ち、周りに誰もおらず、パニックのなかで手を差し伸べて、ようやく引きあげたこと。おじいちゃんの家に一人で歩いて行ったとき、呼び止められた中学生ぐらいのよそのおにいちゃんにナイフちらつかされて立ちすくんだこと、など。

そんなことを思うに、S君ジュニアが前の日曜日に見た光景は、どんなことだったのだろうか。山梨の低山、間近に富士山を望む山でのこと。私が東京単身赴任のころ、何度か一緒に山登りをしたS君(彼のお父さん)、T君、M君と一緒とは言え、瀕死の登山者、その救出劇を目の辺りにしたらしい。

御坂山地の黒岳というから、私たちが以前に登った釈迦ヶ岳と対峙する山だ。麓には、すずらん畑があり、知る人ぞ知るという場所です。頂上直下で、S君たちより先に登っていた中高年4人組の一人が、心臓麻痺で倒れていて、マッサージの最中だったらしい。意識も無く、重篤な状態だったようで、S君の機転で山梨県警山岳安全課に電話、ヘリが駆けつけ、何とか救出したとのこと。近くに開けた場所がなくて、やっとの思いで山頂まで急病人を担ぎ上げたものの、山頂で休憩していた登山者の中にいた女医さんの見立てでは、瞳孔反応もなかったらしい。
 その後の経過は不明だが、この遭難騒ぎを目の辺りにして、S君ジュニアはどう思っただろう。

後日、S君が述懐することろによれば、今回の心臓マッサージには、かなり問題があったようだ。①ザックを背負わせたままでマッサージを始めた。②傾斜地の柔らかい土の上でマッサージを行った。③嘔吐しそうになったとき、すぐに横を向かせなかった。④舌が気道を塞いでいることを見逃していた。
 だいぶ前に、会社で救命士の研修があり、山登りをする関係で何かの役に立つのではと受講した。人工呼吸や模型を使った心臓マッサージの実技もやったが、一度きりのこと、すぐに忘れてしまう。
 そんなことで、その時にもらったチラシを縮小コピーのうえパウチしたものを定期券入に挟んで常時携帯しているが、幸いにして使ったことはない。東京に単身赴任のままだと、間違いなく今回の山行に同行していたはず。だとすれば、件のパウチ、たぶん初めて役に立ったかも。あっ、でも縮小しすぎて、老眼の今となっては読めないか。

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