初詣は、お伊勢さん、かな? ~ 近鉄全線乗車証
2003/12/28

6月と12月の給与に併せて支給される通勤定期券代、その前に総務担当から打診があった。
「近鉄線で通勤ですよね。今の定期券の払い戻しとか、その金額の会社への戻入とか、ちょっと手続きが面倒ですけど、近鉄全線乗車証を使ってもらえますか?」
「ううっ、もち、使いますよ。手続きが面倒でも、損する訳じゃないしでょ。ありがとうございまあす」

そして数日を経ずして届いた乗車証、ほおう、これで名古屋でも、京都でも、吉野でも、伊勢でも、タダで行ける訳か、ぐぐっ、ラッキー。
 株主優待で会社に何枚か支給される乗車証、これを従業員に使わせれば、そのぶん人件費が節約できるという当たり前の発想だが、近鉄のように営業キロ数の大きな私鉄だと、もらう身にとってフリンジベネフィットは大きなものがある。東京で言えば、東武と西武まとめて乗り放題ぐらいの感じかな。

さっそく先週末から使っている。家族で大阪に出かけるとき、私はまだ払い戻し前の定期券があるので、カミサンが使用(片道390円)、持参人なら誰でも有効というのもグッド。その翌日は、私が京都まで。タダのコンサートにタダの乗車券(片道610円)で出かけるという、まことに結構な次第。昨日は昨日で、東大阪荒本の大阪府立図書館へ(片道320円)。

こんないいもの、山登りの遠出に使わずにどうする。ということで、さっそく買ってきた鈴鹿山脈の登山地図。近鉄線だけで行ける山では一番遠いところ。休日に車を占有して肩身の狭い思いをしている私としては、これで電車で遠出という目論見。ところが、どっこい、世の中そんなに甘くない。

例えば、鈴鹿山脈で一番有名な御在所岳、近鉄線で四日市乗換で湯の山温泉、そこからバスとなる。近鉄の乗車券は片道1990円なので、往復で4000円近くが節約できる。ただし、この長距離を急行の乗継ぎで行くとが時間がかかって仕方がない。となると一部は特急ということに。特急券は片道1280円、バスは三重交通だからフリーパスは使えず片道260円。したがって、交通機関で締めて3080円の支出。

これを車で行くとどうなるか。自宅から名阪自動車道を使って天理から亀山まで、そこから国道306号線、477号線(鈴鹿スカイライン)で登山口に。片道100kmあまり、名阪自動車道は無料区間だし、燃費10km/lとして、ガソリン代は3000円未満。なあんだ、結局、一人で行くとしても車のほうが安い。そのうえ、車だとバスの終点からさらに奥まで、片道徒歩1時間分は進むことができる。しかも、ダイヤに縛られることもないし、途中の温泉に寄り道なども簡単だ。

山登りを再開したこの3年ほど、車を利用することが多く、鉄道利用を前提に計画することはなかったが、改めて比較してみると、その利便性の違いに驚く。相当の山奥まで道は延びているし、高速道でなくても一般道も整備されているから、遠くの山でも簡単に日帰りが出来てしまう。いいような、わるいような。でも、若い頃のような、時間と体力を使う山登りはできないのも事実だし…

せっかくの近鉄全線乗車証、どうも山登りでのメリットはなさそうで、近場のお出かけか、お伊勢さん初詣にでも使うしかなさそうだ。

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