️みどりの日のリフレッシュ ~ 大和三山ポタリング踏破!
2004/4/29

いよいよGWに突入、でも身内に病人がいるので、遊びの予定は立たず。東京にいる長男も帰省しないもよう、八丈島に生物研究のフィールドワークとか。

みどりの日、カミサンが次男をつれて実家の様子を見に行くとのことで、私は留守番。でも快晴、降水確率0%と来れば、家にいるのはもったいない。お昼前から出かける。

今回の目論見は大和三山を一気に踏破するというもの。前に駅でもらった「近鉄ハイキング情報」なるパンフレットに載っていたのを思い出した。この「駅長お薦めハイキング」が実施されるのは5月8日、大和八木駅をスタートするのが9:30~11:00、詳しい地図が配られるので、それを見ながら大勢の人が同じコースを歩く。それも悪くはないけど、きっとかなりの人出、一足先にレンタサイクルを使って機動的に回ることを思いつく。

こんな時に役立つ近鉄全線乗車証、無料だから気軽に出かけられるのが大変ありがたい。大和西大寺で橿原神宮前行きの急行に乗り換え、駅前のレンタサイクル点には、3台しか残っていない。もう正午過ぎ、行楽客の出足はもっと早いのだ。しかし、残りものには福、店のおじさん、「もう昼やし、700円でよろしわ」。「へえ、おおきに」と、こういうときは大阪弁になる。ほんとうは4時間まで1000円、一日だと1200円という値段のもよう。

同時に店に来た熟年ご夫婦、これでめでたくレンタサイクル全台出動、私は折りたたみ式のミニサイクル、荷物カゴがないので残っていたのだろうが、私はデイパック姿なので全く問題なし。

さて、大和三山、まずは耳成山から。橿原神宮前駅から北に向かう。畝傍御陵前駅で東に転じ、飛鳥川を渡って再び北上すると、形のよい耳成山が近づいてくる。近鉄大阪線の踏切を渡ったところは公園になっている。139.7m、奈良盆地そのものがそれなりの標高だから、高度差はわずか、10分足らずで登頂。真っ直ぐ登って、下りはゼンマイ状の遊歩道で一周して耳成山公園に戻る。開聞岳(鹿児島県)の登山道と同じパターンだ。終始木立の中なので、展望はなし。遠望すると耳成山は杯を伏せたような姿、形のよい山だ。

次は天香具山、152.4m。国道を避け、集落の中の狭い生活道路を行く。これが出来るのは、自転車ならでは。それも度を過ごすと、砂利道はおろか、畦道に毛の生えたような道まで。古池から天香具山神社までが、それ。

大和三山の中では天香具山は山容がぼんやりとしている。平地にポコンと出っ張った他の二山と違って、天香具山の場合は東側の丘陵に繋がっているので、独立した感じは薄い。でも、藤原宮跡から東に望んだ天香具山は、はっきりそれと判る姿だ。
 麓には神社、頂上にも社があるのはお馴染みのパターン。耳成山に比べると、これから向かう西方の畝傍山など、少しは展望が得られる。こちらも登りは10分ぐらいのものだ。

さて、出発点に戻って、最後の畝傍山へ。橿原神宮の西の裏手が畝傍山になる。神社だけではなく一帯の橿原公苑には野球場や陸上競技場などの施設が並んでいる。 

神宮の南から西に回り込んで畝火山口神社から登ります。こちらのほうが、自転車で奥まで乗り入れられると踏んだからです。さすが、199.2mとなると、山頂まで15分、高さがあるぶん展望もよろしいようで。西に二上山、葛城山、金剛山、そして盆地の様子も手にとるように。橿原市の中心は北のほうの大和八木、行政や商業はそちら側で、南にあたる神宮界隈は緑がいっぱい、全く趣を異にする。

畝傍山のてっぺん近くにあった看板に、中大兄皇子の万葉集の歌が書かれていた。看板というのが艶消しだが、昔の記憶が蘇った。
「香具山は 畝傍を愛(お)しと 耳成と 相争ひき神代より かくにあるらし 古昔(いにしえ)も 然(しか)にあれこそ うつせみも 嬬(つま)を争うらしき」
 ところが、この歌、家に帰ってカミサンに言うと、「それって、これよ」と、和室に掲げた額を示す。
「高山波 雲根火雄男志等 耳梨輿 相諍競伎神代従 如此爾有良之 古昔母 然爾有許曽 虚蝉毛 嬬乎相格良思吉 東山魁夷書」
「えっ、ふうん、そうかあ、これが、それでっか」なんて、私は訳のわからないことを。この拓本、偉いお習字の先生から貰ったものらしい。これが、万葉仮名ということのようで。まさか、これが、かの歌とはね。

下山して、今度は畝傍山の北側を回る。神武天皇陵との間の道は、おっと、地道、ほとんど山道だあ。そして最後は砂利道、道なりに行くと畏れおおくも天皇陵に自転車で乗り入れ。

ゴールの橿原神宮前駅はすぐそこ。普段の山登りの感覚なら、三つ合わせても、登り1ピッチ、下り1ピッチで踏破ということだが、意外、これが結構きく。途中を自転車で繋ぐというのが慣れないせいだろう。サドルに乗せたお尻は痛いし、膝の上の筋肉が痛む。山登りだけなら何ともないのになあ。

○○三山という呼称は、あちこちにある。すぐに思い浮かぶのは、白馬三山、白根三山、鳳凰三山、これらは日本アルプスの3000m級の山岳だ。本日の三山、どうだ、100m級!

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