️RELUCTANT PRINCESS ~ 謎、雲上人の世界
2004/5/11

昨夜のニュース、今日の朝刊の皇太子さまの記者会見には驚いた。皇太子妃の健康状態は相当に悪いようだ。鬱病なのだろうか。心療内科系の病気であるのは間違いなさそう。ふと、ご成婚のころに米系の雑誌(たしか、"Newsweek")の表紙を飾った雅子さまの写真、そこに書かれたRELUCTANT PRINCESSという言葉を思い出した。言い得て妙、実に見事なコピーと、感心した覚えがある。同じく米系雑誌の"TIME"の凡庸な見出しとは大違いだった。でも、こちらの写真は素晴らしい。

あれから何年、危惧したことが現実になったことのやりきれなさを感じる。この人の人柄と能力を最大限に活用する道も皇室や日本国にはあったはずなのにという思いだ。あの不自然な微笑、口元だけ笑っていて顔は笑っていない表情をテレビの映像で見るたび、この人はちっとも幸せじゃないんだと思った。
 婚約前にマスコミのカメラに追いかけられていた外務省勤務時代、あのころの生気溢れる表情は跡形もなく消えた。皇太子の優しい人柄もこの人の救いにはならなかったのか、自己実現の道が閉ざされた世界に置かれた閉塞感の果ての身心の病なのか。

次の皇太子の言葉は、先の私の想像とぴたりと符合する。

殊に雅子には外交官としての仕事を断念して皇室に入り、国際親善を、皇族としての大変な重要な役目と思いながらも、外国訪問をなかなか許されなかったことに大変苦悩しておりました。今回は体調が十分ではなく、皇太子妃としてご結婚式に出席できる貴重な機会を失ってしまうことを本人も大変残念がっております。私も本当に残念で、出発に当たって後ろ髪を引かれる思いです。

さらに彼は踏み込む。

誕生日の会見の折にもお話ししましたが、雅子にはこの10年、自分を一生懸命、皇室の環境に適応させようと思いつつ努力してきましたが、私が見るところ、そのことで疲れ切ってしまっているように見えます。それまでの雅子のキャリアや、そのことに基づいた雅子の人格を否定するような動きがあったことも事実です。

皇太子は、誰を責めているのだろうか。思い切った発言だ。彼も同様の重荷を背負っているのだろう。以下は、少しあとの最後の関連質問での答。皇太子なりの反乱の狼煙だろうか。

細かいことはちょっと控えたいと思うんですけれども、なかなか外国訪問もできなかったということなども含めてですね、そのことで雅子もそうですが、私もとても悩んだということ、そのことをひとことお伝えしようと思います。

前後するが、以下はその前の優等生的な発言だ。何らかのアクションを起こすつもりなのだろうか。

今後、いろいろな方策や工夫が必要であると思われ、公務復帰には当初考えられていたよりは多く時間がかかるかもしれません。早く本来の元気な自分自身を取り戻すことができるよう、周囲の理解も得ながら、私としてもできうる限りの協力とサポートをしていきたいと思っております。

現代日本の皇室は、世界的に見ても立派なレベルだと思う。シェークスピアまで引き合いに出さなくても、国王の御乱行などは珍しくも何ともないのに。

しばらく前に、産経新聞夕刊の片隅に載っていた記事、スウェーデンのグスタフ国王が高速道路を160kmで飛ばしジグザグ走行までして告発されたとのこと。黄色のポルシェで青色のポルシェの王子と張り合うように運転とか。 王女を乗せた車や随行団も疾走で暴走族顔負けというAFPの配信だった。

うーん、スウェーデン、グスターヴォとくれば、オペラファンであれば自ずとヴェルディの「仮面舞踏会」を思い浮かべる。あちらは不倫の恋に身を焦がす国王、とは言っても人格は高潔、こちらはどうか知りませんが、何だかどちらも人間らしい。この現代のグスターヴォ、どうも札付きのようで、同じような前科もあるようで…

庶民には窺い知れないが、ロイヤルファミリーというのは、ストレスの多いもののようだ。

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