️ひとごとではない ~ 驚愕、これが母校の現状か?
2004/7/11

わが家で購読している産経新聞、一週間前、一面コラムに目を落としたとき、「ん…」という記事が飛び込んできた。コラムの筆者が、自社の月刊誌「正論」の記事を引用したコメントを書いている。その記事とは、「正論」8月号に掲載されている大阪府立高津高校の木村智彦校長の手になるもの、題して『「ここは日本か?」学校社会の不可思議』

滅多に総合雑誌を購読しない私だけど、今回は買ってみた。新聞のコラムでは、論文中の「へえっー」と感じるような部分の引用と、扇情的なタイトルの紹介だったが、実際に全文を読んでみたら、そんなに過激なものでもないなあという印象だ。

とは言え、「職員会議で職員が挙手で賛否を問い、校長の意思などそっちのけで方針を決める」、「何と、提案者が職員会議では反対に廻る」、「都合が悪くなれば挙手から無記名投票となる。誰が賛成で誰が反対か判らないようにする」、「今や幾分物見遊山化している研修旅行の内容を校長が変えようとでも言えば、『生徒がかわいそう』と来る」、「夏休みは生徒の休みであり、教師の夏休みではない」、等々の事例が述べられています。

内容的には至極もっともな論旨で、私などにすれば当たり前の主張と思えるのだが、これを読む人にすれば「いったい、今の公立高校はどうなってるの?」と、現状への驚きが先に立つのが必定だ。

木村校長は住友金属人材開発センター長から、民間出身校長として二年前に高津高校に赴任したとのことだが、そのこと自体を私は全く知らなかった。木村校長が高津高校の二年間で経験した、民間企業とかけ離れた常識がまかり通る公立高校の教職員の世界に驚くとともに、改革に向けて苦闘している状況が書かれている。

それよりも気になるのは、この論文が出たことで、木村校長が進めようとしている改革が逆に阻害されることにならないかということだ。管理責任下にある組織の批判を,公器で行うことについて、それなりの自信や覚悟があってのこととは思うが、学校内での無用な軋轢が増すことにはならないだろうか。

職員会議の事情など私は知る由もないし、木村校長の一方的な意見陳述だけでは現状認識を誤るおそれもあるので、高校時代のクラブOB会のメーリングリストに投稿してみた。そこには母校に奉職している人も含まれているから、きっと何らかの反応があると考えたからだ。案の定、別の視点からのコメントが戻ってきた。

昔はともかく、今は学校運営上のことは全て校長の専決事項だし、提案者が会議では反対に回るような例はないとのことだ。外部からはなかなか窺い知れない学校社会を、一方的に批判的に書きすぎておられるとの感想も。夏休みについても、その人の場合は部活の仕事もあってか、期間中の休みは土日含め4日だけの由。随分と違う内容なので、実態はどうなのか、即断しかねるところか。

ともあれ、母校のこと、気になるのは事実、会社の先輩にもお知らせしたところ、記事内容に驚愕されるとともに、公立高校にとどまらず学校教育、家庭教育の劣化を嘆いておられた。うちの子も小学6年生、いっそ私立中高一貫校という選択肢もあるが、それにはもうちょっと勉強してもらわないと。こらっ、テレビゲームをしている場合じゃない!

ジャンルのトップメニューに戻る。
inserted by FC2 system