️下りのない山登り ~ 鈴鹿山脈・鎌ヶ岳・御在所岳
2004/8/11

お盆休み、旅行するにも高いし混んでいるし…。何もこの時期に休みを取りたくないけど、仕事がら自由にもならず、まして身内に病人がいるので遠出もままならず。ともだちは子連れで北アルプスに行ってきたとか。こちらは、つつましく近場の日帰り登山ということで。

車が使えないので、電車で行けるところ、せっかく定期券がわりに貰っている近鉄全線乗車証を活用しない手はない。鈴鹿の山は、その乗車距離を考えるととってもお得。最寄りの近鉄奈良線富雄から、湯の山温泉まで、大和西大寺・大和八木・伊勢中川・近鉄四日市で乗換、都合4回。家を出たのが6時前、湯ノ山温泉に着いたのが9時過ぎ。まるで青春18きっぷの世界だ。

湯の山温泉から長石谷を詰めて鎌ヶ岳(1161m)に至る。この暑さでは尾根道を歩く気はしない。緩やかな谷で、登山道もあることになっているが、踏み跡が明瞭なところとそうでないところと。草木も伸びる季節だし、台風で雨も降ったに違いないし。沢筋を辿ると、小振りの滝がいくつか、透き通った水を湛えた淵。岩陰にはひっそりと咲く花も。山は低いけど、なかなかの涼味。

中高年登山ブームとは言え、ちょっとマイナーなコースになると、誰にも会わないことが多い。この長石谷も然り。稜線間近になって、後から元気な若者3人組が登ってきただけ。

温泉街を抜けて山頂まで4時間程度。判りにくい温泉街の道で、近くの宿の人か、親切に道案内していただいたのはいいが、それは御在所岳への登山道、長石谷から鎌ヶ岳へ登るとこっちは言っているのに、地元の人でも山登りしない人だとこんなもの。そんなことで、ちょっと時間のロスはあったものの、久しぶりにしては、まあまあのペースかな。

一人だけで沢筋を登るのは、けっこう神経を使う。岩に赤いペンキのマーク、木の枝にテープが巻かれたりしているが、だいたいこの手の標識はどうでもいいところにあると相場が決まっている。迷いやすいところには滅多にない。したがって頼りになるのは自分のルートファインディングの勘だけ。まあ、いちおうは登山コースだし、無理して滝を直登したりの危険を冒さなければ大丈夫。

大気の状態も安定しているようで、稜線が近づくに連れて広くなる空は快晴。私にしては珍しく、雷・俄雨の気配はなし。尾根に出たら、鎌ヶ岳の岩峰はすぐそこ。日差しは強烈だけど、滋賀県側から抜ける風が心地いい。アキアカネの姿が目につくのは立秋も過ぎた証しか。

琵琶湖も見えるはずだけど、はっきりとは確認できない。三重県側は伊勢湾とその向こうの知多半島まで見通せる。標高こそ低いけれど、平野からいきなり登る1000mは歩きごたえがある。

鎌ヶ岳から北に武平峠を経て、御在所岳(1210m)へ。鎌ヶ岳からそのまま湯の山温泉に下山してもいいけど、膝を痛めそうな気がして、最後は1時間強の登りで終える。つまり、ロープウェイを下りに使う山登り。御在所岳山頂に着くと、サンダル履きの子供や、ミュールにパラソルのおねえさんまで。それもそのはず、ロープウェイ終点から山頂まではリフトが。ここは、冬にはスキー場になるところだ。

後半2時間あまりの尾根歩きはさすがに消耗する。行程での水の摂取量は、沢の水やペットボトルのお茶も含めて約3リットルに達する。それでも渇く、体が水分を要求している。ロープウェイ駅でペプシコーラ、帰りに一風呂浴びた湯の山温泉駅近くの「ヘルシーパル湯の山」でキリン氷結、そしてホットコーヒー、四日市駅から乗った近鉄特急でキリンラガービール、乗換の大和八木駅でカナダドライ・ジンジャーエール。家に帰って吟醸冷酒「松竹梅白壁蔵・三谷富夫」、よくまあ、これだけ飲むなあ。

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