盆休み、酷道425号を走る ~ 龍神温泉へ
2004/8/14

最近、一人で遊びに行ってばかりで、家族の風当たりも強い。お盆休みも本番の14・15日に一泊旅行に出かけようということに。前日ネットで近場の宿を検索、きっとキャンセルが出たのだろう、和歌山県の龍神温泉の民宿が見つかった。そう言えば、何年か前にも、夏休み最盛期の直前予約で龍神温泉に出かけたことがあったなあ。

前回は高野山から高野龍神スカイラインを辿ったが、今回は有料道路はパス、走り慣れた国道168号を南下する(後で知ったが、高野龍神スカイラインは無料になったらしい)。玉置山に登ったとき、十津川村までは走っているが、今回はそこから西に転じて国道425号線で山を越す。先日来の台風や豪雨で道が傷んでいる。国道168号は途中の大塔村で大きな山崩れ、対岸の迂回路から見ると、凄まじい光景だ。国道のコンクリートは粉々に、急斜面を滑り落ちた樹木が川床に散乱、この地滑りは危険が予知されていて、カメラがセットされていたらしく、その映像が収録されており、ニュースでも放映された。

国道425号も十津川村から東に尾鷲に向かう部分に不通区間がある。こちらは、紀伊長島温泉に出かけた帰りに走ったことがあるが、国道とは名ばかり、対向もままならない山中の道だった。今回の西半分も、それと同等かそれ以上(以下?)。「転落事故多し、注意」なんて標識がやけに目立つ。奈良に住んでいると、”酷道”はお馴染み、山登りのときの林道走りといっしょ、嬉々としてハンドルを操る。車酔い防止のため、家族は後部座席で爆睡のようす。

国道425号走行の前に谷瀬の大吊橋の下で水遊び、龍神村到着の前には天誅蔵という幕末天誅組の史跡に寄り道。この吊橋は前に渡ったことがあるが、河原に下りるのは初めて。泳いでいる人もいて、それほど危険でもなさそう。天誅蔵とは逃げ延びた天誅組の残党が幽閉された場所とのこと。

龍神温泉は山峡の鄙びた宿、民宿「切林」は、お盆の特別料金などなく、山菜中心の素朴なメニュー。鹿の刺身、鮎の塩焼き、野菜天麩羅がメインで、「これは何?」と尋ねた山菜は、「ゴンパチ」と民宿のおねえさんの返事、「ええっと、他の言い方があったんだけど、ううっ思い出せない…」。ややあって、ようやく思い出したのか、誰かに訊いてきたのか、「イタドリ!」。和歌山、このあたりの名物のよう。

のんびり民宿で過ごして、アテネで始まったオリンピックを見る。山の中のこと、NHK衛星放送しか受信できないかと思ったら、ちゃんと民放も受信できる。でも携帯はアウト、おっと、auだけは大丈夫のよう。民宿の玄関にポスターが張ってあった。「えー湯だな、龍神温泉周辺で通話可能になりました」とのギャグコピー。

翌日、国道425号ではなく、今度は国道424号。こちらは龍神村から北西に向かい海沿いの有田方面に出る。途中、龍神村内で以前泊まったことのあるペンション兼レストラン「とおせんぼ」に寄り道。お茶を飲むのもそこそこに、私を残して妻子はペンションの裏に回る。ここにはグレート・ピレニーズがいっぱい。巨大な白い犬が何匹いることか。前に来たときからは世代交代しているらしく、私には見分けがつかないが、もう年寄りになった顔見知りもいるらしい。人なつっこい犬たちに囲まれて、よだれまみれになること1時間あまり。

次に道の駅「龍游」。手作り木製家具を展示販売している「Gワークス」という店があり、その入口には「貸しカヌーあります」の表示。空模様は怪しくて、降ったり止んだりだが、子供と二艘借りることにして、裏手の日高川に。流れは緩そうでも、上流に向かうとなかなか進まないものだ。

二人が川遊びをしている間に、「Gワークス」ではカミサンが杉材で作った素敵な椅子を購入。定価65,000円のところ、試作展示品30,000円でお持ち帰り。ワゴン車の後部はそれで満杯状態だ。

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