️暑かった夏のおわりに ~ 曽爾火山群・鎧岳・兜岳
2004/10/10

長い夏が終わった。暑さには強いつもりだったのに、さすがに今年は…。自然のことだから仕方ないことだが、明日のことがわからない私事での疲れも加わり、2004年は辛いことの多い夏になった。ようやく一段落、久しぶりに山へ。

本邦上陸9個目の台風が東に抜けて、まさに台風一過の青空、かつての体育の日、晴天の特異日だけのことはある。9月は山登りどころではなかったし、月が替わっても今ひとつ元気が出ないけど、土曜日に3時間の昼寝をしたせいか、ちょっと出かけてみようかという気になった。またしても近鉄沿線、交通費が安くつくので、つい。

曽爾(そに)火山群の地図を本棚の隅から引っぱ張り出した。昭文社から出ている登山地図で、今はこのエリア単独での地図は出版されていない。その点ではお宝の1976年版、なのに拡げるたびに表面のコーティングはパラパラと剥落、折り目は次々と破れ目に。経年劣化というやつだろう。雨の滴もだいぶ着いたはずだし、30年の歳月を経て微量な酸による腐食かも。

兜岳 鎧岳

スタートは近鉄名張駅、バスで青蓮寺川沿いに曽爾横輪まで45分ほど。古い地図でもダム湖が載っているが、私が山登りを始めた頃には、ダムなどなかったはず。この地図の少し前に完成したのだろう。

曽爾村は奈良県の東の端、名張は三重県なのに上流の曽爾村が奈良県というのは、途中に香落渓(こおちだに)という峡谷があるから。今もこのあたりの国道は対向もままならない。屏風岩とか小太郎岩とか柱状節理の岩壁が迫っている。香落渓を抜けると田園地帯に特異な形状の山々が両岸に出現する。ゴツゴツした岩山、切り立った岩壁、たおやかなススキの原、きれいに植林された杉林…

兜岳から鎧岳方面を望む

目指す鎧岳(894m)・兜岳(920m)は、このあたりで僅かに登り残した山だ。こんなに特徴のある山容だし、とっくに登っていても不思議じゃないのに…。

曽爾横輪から赤目四十八滝に向かう林道を辿り、道ばたの延命地蔵のところから兜岳登山道へ。道は急だけど、兜岳への登り、峰坂峠への下り、鎧岳への登り、葛(かずら)への下り、それぞれ30~40分。10時過ぎから歩き出して、14時前には下山。あまり過激な山登りができる体調でもなし、こんなものかな。

この両山、麓から眺める姿は特徴的でも、てっぺんに辿りついても視界が得られないのが、昔の状況だったもよう。だから、下から見上げるだけで済ましていたのかも。でも、今は頂上付近の樹木を少し切ったのか、展望が少しは開けている。大した標高の山ではないが、鎧岳は曽爾川に向かってスパッと切れ落ちているだけに高度感がある。岩壁に近寄っては危険なので、おとなしく対岸の曽爾高原を眺める。このあたりの山群の盟主、倶留尊山(くろそやま)、その下に広がるお亀池周辺のススキの原、でもまだ季節は少し早い。

鎧岳頂上にて 登山用タイツ

少し前に大学のクラブOBのメーリングリストで、「最近市場に出ている登山用のタイツの効用はいかに?」という話題が出た。
 実は、私、だいぶ前から愛用しているのだ。CWXという商品名でワコールの製品、あのシーズン262安打のイチローで宣伝しているから、彼も使っているのかな。
 早い話が、サポーターのようなテーピングのような。立体裁断で伸縮度の違う素材を組み合わせたもので、膝の周りや太股の筋肉をサポートしてくれるようだ。一日履いていると、けっこうキツイ。そのためか、脱いだときの開放感がまたいいとも言える。気のせいか、後日の筋肉痛も少ないように思う。

アウターは上も下もユニクロ1000円商品、ところがインナーはその10倍以上と高価。何てったって”メーカーもん”(これは大阪の人間特有のヘンな言い方)だ。ともあれ、見えないところにお金をかける、”筋力”の衰えを”金力”で補う、なんてね。

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