板子一枚下は ~ 福知山線事故
2005/4/28

こんな私にも、非常の際の安否確認をしていただける人がいて、25日、お昼にメールが飛び込んできた。どっこい、憎まれっ子…の謂のとおり、ピンピンしている訳で。

当日、朝10時過ぎ、京橋駅からJR東西線で伊丹に向かおうとしたら、電車が止まっていた。脱線事故というアナウンス。やれやれ、また人身事故かと、JR大阪環状線で大阪駅まで行き、阪急電車で伊丹に。
 この阪急伊丹駅は10年前の地震で全壊し、その後、新しいきれいな駅になっている。ホームはビルの3階にある。バスで目的地に向かう前に、ひとつ上の4階の蕎麦屋で腹ごしらえをしていると、隣の席のおばちゃんの携帯に着信、これが喋り出したら止まらない。

「こらっ、オバハン、じゃかましい。表行ってしゃべってこんかい」の類の悪態をぐっとこらえていると、なにやらJRの事故の話をしている。おばちゃんの乗った電車の一つ前の電車が脱線事故だったもよう。駅の売店のおっちゃんがお客に、「脱線して、ぎょうさん死んでるらしい」とか言うのが耳に入る。

これは、かなりの事故かと思いつつ、仕事を終えて梅田に戻ると、地下街の新聞スタンドに号外が掲示されている。「何、これ!」
 電車がマンションに巻き付いている驚くような写真。号外の横には手書きの張り紙、"JR惨事、死者25名"、その25を斜線で消して37に訂正、そして、ただいまの最新情報は夕刊フジ、というのは流石の商魂というかサービス精神か。

夕刊を買って記事を見たら、場所は尼崎市潮江4または久々知3、あそこではないか。取引先の日本スピンドル製造株式会社、その北側の道路、裏門の脇の踏切に違いない。今週に訪問するつもりだった企業だ。
 記事によれば、同社は臨時の負傷者救護場、早い話が"野戦病院"となったようだ。従業員も仕事を中止し、負傷者の病院への搬送などにあたったらしい。立派だ。
 夕方、同社の役員にメールでお見舞いを述べたが、やはり大変な取り込みだったようす。幸い従業員の被災はなかったらしい。こんなときに電話は失礼と思いメールにしたが、思いのほか早く御礼の返事が。

夜のニュースを見たら、まだ電車の中に閉じこめられている人がいるとのことだった。そして、一夜明けたら、会社関係で二人亡くなっていることを知った。何という奇禍…合掌。
 一人はもう退職されたOB、入社したときに同じ部の上司だった人。月曜日が主治医の診察日ということで、市内の病院に向かう途上だったとのこと。もう一人は職員の妹さん。この人は大阪ビジネスパークにあるコンサートホールに勤務ということで、たぶん始業時間が遅めなんだろう。また、10時前は、派遣のパートさんの通勤時刻、たまたま最後尾車両に乗っていて難を免れた人もいたようだ。

板子一枚下は…の世界、普段から身辺整理をしておかなきゃと、父親が亡くなったときに思ったのに、何もできていない。

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