そうか、ここも"花の寺" ~ 続・山辺の道
2005/5/2

会社勤めを長年していて、ゴールデンウィークの平日にお休みしたのは初めてかな。同じ休むんだったら、何も人出が多て旅行も高くつくときなんてと思っていたが、営業の仕事はそういう訳にもいかず、取引先と合わせて休むしかない。

とは言っても、子供の中学は土曜日も授業、カミサンと二人、山辺の道ウォーキングに出かける。これならお金もかからない。交通費は二人で360円。正月に三輪山から山辺の道を長岳寺まで歩いた、その残りを今日は辿ってみる。長岳寺のそばには、トレイル青垣という公共施設があるのをそのときに知ったので、そこに車を置いてスタート。ここは道の駅の徒歩版みたいなもの。ちょうど、桜井と天理の中間点、なかなか便利だ。

正月と違い、長岳寺は花盛り。つつじが多いが、牡丹や、杜若なども。奈良の"花の寺"と称して観光バスも巡るようだが、まだ9時過ぎの時間で静かなものだ。それでも池の畔にはいかにも高級そうなカメラを三脚に据えた老人カメラマン(ウーマン)が何人か。望遠レンズで池の菖蒲を狙っているのかな。

境内を一回りして本堂にはいると阿弥陀三尊と多聞天・増長天。これら重要文化財の目は玉眼の最古のものと、ようやく出勤のボランティアガイドの人から教わる。おお、確かに、こっちを睨んで光っているぞ。お寺を後にするとき、高校生ぐらいの一団とすれ違う。バスが到着したのかな。これで境内の雰囲気も一変することだろう。

今回の山辺の道の途中、萱生(かよう)町や竹之内町には環濠集落の名残がある。橿原市今井町などが有名で、奈良盆地のあちこちにその姿を止めている。でもここは盆地の底ではなく、山裾から少し登った場所なので、立地としては珍しい部類になるかも。外敵を防ぐためのものであった訳だが、昔の建物が水面に映るのは情緒がある。でも、これからの季節、蚊がいっぱいで、住んでる人にとっては快適とは言い難いだろうなあ。

山辺の道沿いには野菜無人販売のブースが随所に。前回のときは八朔、白菜、大根というあたりだったが、今回の主役は苺。道沿いのビニールハウスの脇でワンパック100円で販売している。形の悪いもの、小振りのものなど、市場に出しにくいんだろうが、味は同じ。さっそく、近くの小公園でいただく。それから、蕗を二束、こちらは持ち帰って、ご近所からいただいた朝掘りの筍と炊き合わせ。

距離にすれば6kmほどなのに、道草が多くて石上(いそのかみ)神宮に到着したのはお昼過ぎ、境内に放された鶏がお出迎え。

ここで山辺の道と離れ天理の街のなかを駅まで。黒い法被の若い人たちが多い。しかも、全国各地から着ていることが法被の襟に染め抜かれた地名で判る。街の中心に巨大な天理教本部があり、それを取り巻いて専用の宿泊施設などが立ち並ぶ。宗教都市、まるでヴァチカンのよう。駅に続く長いアーケードの商店街にも、天理教関係の神具や書籍などを扱う店が何軒も並んでいる。奈良に住みながら、この独特の雰囲気の街を歩くことは全くなかった。

JR天理駅の長いホームに入ってくる桜井線の電車は2両編成のワンマンカー。線路は単線で途中駅は無人。大糸線の南小谷・糸魚川間の非電化区間などで、私は何度も経験しているし、桜井線も1月に乗っているが、初めてのカミサンは目を白黒。

あの天理駅の長い立派なホームは、大祭のときの専用列車のためのものなんだろうか。団体専用の改札口、二つあるホームのうちひとつは、団体専用となっており普段は使われていない。まるで原宿駅の明治神宮側のホームのようだ。お召列車が発着するわけじゃないけど。

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