こりゃ、あんまりだ ~ オペラの席割り
2005/9/24
来年の話になってしまうが、もう6月のメトロポリタンオペラの前売りが始まっています。電話してみたが、やっと繋がったときにはA席・B席(S席の設定なし)以外は残っていなかった。当然、見送り。だってA席61000円、B席51000円なんて、とても、とても。
これは兵庫公演で、会場は今秋オープンの兵庫県立芸術文化センターだ。今回はチラシに席割りが書かれていたのは珍しいことだ。海外からのメジャーな引越公演では、チラシに記載されている安い席の絶対数はごくわずかと聞いているし、会場での実感もそのとおりだが、めったに席割り情報は開示されない。
その点、兵庫県立芸術文化センターはとてもフェアと言えるが、席割りを見たらほとんどがA席というのは、こちらはアンフェアだろう。まだこけら落としも済んでいない新しいホールだが、こんなに多くの席が音も視界もいいとは思えないし…
それで、せっかくの情報開示なので、虫眼鏡片手に席数をカウントしてみた。それによると、安いほうから…
F席 | 24 | 3階4階の舞台寄りバルコニー |
E席 | 60 | 3階4階の舞台から離れたバルコニー |
D席 | 103 | 3階4階の最後列 |
C席 | 131 | 3階4階の後ろから2列目、2階舞台寄りバルコニー |
B席 | 197 | 3階の後ろから3列目、4階の前2列、舞台脇の平土間 |
A席 | 1493 | 残りの全て 舞台脇を除く平土間、舞台寄りバルコニーを除く2階、3階の前2列 |
合計すると2008席になったので、ホールの公称2001席と少し差があるが、75%がA席、F席は1%ちょっとということになる。
私の場合、30000円超のチケットは買わないという方針なので、それで行くと購入の可能性があるのはF席15000円とE席24000円。これらの席は合計で84席、全体の4%、こりゃ確率はとてつもなく低い。
道理で前売り初日は電話受付のみとなっている。もし、「ぴあ」の窓口に一番に並んだのに安い席がないとなると、店頭で一悶着起きかねないだろう。
兵庫公演は「トラヴィアータ」と「ドン・ジョヴァンニ」、私は後者のチケットに挑戦し敗退、あとは名古屋の「ワルキューレ」か。
しかし、3演目をA席で観ると考えたら、格安航空券で現地ニューヨークに飛び、土曜日に発売される向こう一週間の立見席発売に早朝から並べば充分にお釣りが来る。となると、暇と体力があれば価格裁定がはたらく数字と言える。
有名どころの引越公演の場合、9か月ぐらいかけて、膨大な数の立派なチラシをばらまき、新聞広告や提灯記事を掲載し、さらにはTVのスポットCMを打って、何とか高額チケットを売りさばくというパターンが定着しているように思う。そんな販売経費をかけずに、たんにチケット代を下げれば、短期間に完売できると思うのになあ。そう、武蔵野方式(チラシはモノクロのワープロ打ちザラ紙コピー、メディアでの宣伝なし、ぴあ等での販売なし)でやればいいのに。