芋買いに走る ~ 新聞の威力!
2006/1/13

「とうちゃん!」
 寄り道をして帰宅、さて、お風呂に入って、ちょっと一杯と思ったら、カミサンの声。
 「はいっ!」
 今度は何の悪事がばれたのかと、ギクッと直立不動。
 「阪神に寄るついでがあったら、これ買ってきて」と、カミサンが差し出したのは、産経新聞の夕刊(これは関西にしかない!)。ほっ。
 「なんやて、焼き芋。へえへえ。忘れたらあかんから、記事切り抜いといてんか。なんか特別のもんか?」

夕刊の「デパ地下つまみぐい」というコーナー、そこに紹介されていたのが「安納芋」という種子島産の品種を使った焼き芋。本来の甘さと粘りが味わえる逸品とか。263円/gというから、なかなかのお値段。まあ、それぐらいでカミサンのご機嫌を取り結べるなら安いものか。

さて、早速翌日、仕事で外出した帰り道、寄ってみました阪神百貨店。ここのデパ地下は人気で、まだ午前中なのに人がいっぱい。広くてどこが目指す「芋屋」か判らないので訊くのが一番。地下鉄を降りて一番近い案内カウンターに。

「これ、買いたいんですけど、売り場はどこかな?」と、新聞の切り抜きをひらひらさせて…
 「あっ、朝からお問い合わせのお電話が何本も…」、カウンターのおねえさんは売場案内図を示す。
 「さっき見たとこでは、三本ぐらい残ってましたけどな」、横からベテランの男性職員が。
 「えっ、こりゃいかん」と、教えてもらった場所に一直線。

小さなコーナーにディスプレイに黒石を敷きつめて二種類の芋が並んでいるのが目指す「芋屋」。

「すっ、すみません。新聞に出てたお芋って…」
 「はい、これです。今焼けているのは、これだけですけど。この三つは予約済で」、焼き芋の予約なんて聞いたことがない。これがさっきの店員おっちゃんが言ってたやつか。
 「美味しそうなの、五つぐらいちょうだい」
 「はいはい、今日は朝からたくさん売れて、新聞の力ってすごいですね」と、件の記事のおねえさん。

そりゃ産経新聞だって、大阪では夕刊を廃止できないのは、オバハンたちに根強い読者がいるということでしょう。いみじくも芋で知れるその威力!
 その晩、一切れもらって味見、うーん、確かにこの粘りと甘さは普通じゃない。甘いものは苦手なので、私はそれでおしまい。一夜明けて、今ごろはカミサンは近所のお友だちのところで、焼き芋食べながら賑やかなことだろう。

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