鷲峰山 ~ 出遅れ、出直し予定
2006/7/30

鷲峰山(じゅうぶざん)、682m、昔からこの山の名前は知っていた。古いハイキングガイドなどには、必ず載っていたように思う。でも、なんだか交通が不便そうだし、600mそこそこの山にわざわざ出かける気にもなれず、忘却の彼方に。

奈良に住んでいる今、ほんの一投足で行けるんだ。しかも、山の上まで車道が延びているようだし、気軽にドライブ。日曜の午後から出かけてみた。以前、信楽まで陶器を買いに走った道の標識に鷲峰山という記載もあったような気がする。

山のてっぺんから琵琶湖が見える。そうか、こんな位置関係だったのか、意外。京都府の南の端とはいえ、ほとんど奈良県、でも、まあ、距離からすれば見えても不思議じゃない。湖と湖畔の大津プリンスホテルの高い建物が目につく。682mだけど、視界を遮る高い山が間にあるわけじゃないから。

山頂には宝篋院塔(ほうきょういんとう)なる大きな石塔、正安2年(1300年)のものとか。そう、この山、そして山頂直下にある金胎寺(こんたいじ)は修験道の霊場、南の大峰山に対し、「北大峰」と呼ばれていたらしい。やはり、こちらの開山にも役行者の名前が登場する。
 その行場には社務所兼休憩所の脇から入るようになっていて、入山料300円。さっそく、行ってみるかと思ったら、入山は午後2時までということ。

社務所の人に聞いたら、ちょっと足場が悪くなっているようで、この時間からの入山はご遠慮願いたいと言う。2時を大きく回っているわけじゃないが、また、次の機会ということに。休憩所に掲示されている写真を見ると、あたりのたおやかな山並みとうって変わって岩場があり、なかなかスリリングな様子。再訪の価値はありそう。

山頂一帯に配された伽藍はなかなか立派なもの。遠い昔に、不便な山奥に、よくこんなものを造ったなあ。車で山頂直下まで乗り付けた私は、楽なものだけど。
 とは言え、ここに至る県道62号宇治木屋線というのは、対向もままならない狭い道、そこから分かれる鷲峰山への林道のほうが、稜線上だけにまだ走りやすいほどだ。近場で山岳ドライブが楽しめるのも奈良らしい。

帰路、ちょっと遠回り、地図を見ていて不思議な地名で気になった「童仙房」を経由する。和束町から東に三国越林道を辿る。山城、甲賀、大和を繋ぐという意味だろう。童仙房は京都府相楽郡南山城村、標高500mぐらい、山間の盆地のような地形、人の多く住む水系沿いからは隔絶している。落人部落が起源かと思ったら、ここは近代の開拓地だそうだ。集落の字が一番、二番という風になっており、入植の順番とか。林道は比較的新しく走りやすいが、木津川に向かって下降する道は、これまた細い。ほんの一部が二車線道路で、すぐに対向注意の道になるという始末。夏場、涼しいことは間違いなさそうだが、生活するには厳しそう。このあたり一帯は茶どころなので、ちょうど今、摘み取りの最中のようす。

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