鷲峰山金胎寺行場めぐり ~ また、忘れもの
2006/11/3

7月に来た鷲峰山、そのとき時間切れで果たせなかった行場巡りに出直しトライ、前回よりちょっと早めに家を出て、1時間のドライブ、お昼に金胎寺に到着。行場めぐりの入山は午後1時まで、とある。7月のときは午後2時がリミットだったから、1時間繰り上げとなっている。日の長さが違うから、それも当然、暗くなったら危険ということか。しかし、鷲峰山はハイキングコースになっている山だし、危険といってもたかが知れていると、お寺の休憩所の脇の入口からスタート、入山料300円也。

金胎寺は山頂にあるから、行場巡りはいったん沢筋まで下って、そこから登り直す回遊コースになっている。適当に休憩を入れて約2時間、なかなか面白いコースだ。しばらく緩い巻き道を辿る。なかなか行場の入口には至らない。ようやく、降り口らしいところに到着、「迎へ行者」という小さな石像が置かれている。ここから急な下り、木の枝を頼りにどんどん高度を下げる。途中、「東の覗」、「西の覗」という崖に突き出した岩場を通る。樹林の中なので、確かに足下はストンと落ちてはいるようだが、さして恐怖感はない。いよいよ鎖場も現れたルートを辿ると「胎内くぐり」、狭いクラック状の岩場のトンネルを抜ける。

沢音が聞こえてくれば、そこは「千手の滝」、黒光りした巨岩を白い流れが伝う。さらに、もう一段下には、こっちのほうが規模が大きな「五光の滝」、基底部はオーバーハングした、なかなかの立派さ。この二つの滝は、それなりの装備があっても直登はちょっと大変そう。ここが、行場めぐりの最低地点。
 さて、ここからの登り直しは岩場が続く。「鐘掛」という大きな岩場には鎖がかけられていて、巻き道も設けられているが、鎖を握ってダイレクトに登る。足場もしっかりしているので何の不安もない。問題は、その上部にある「小鐘掛」、一見何ともなさそうだが、最後の岩を越えるのが一苦労。ご丁寧にホールドの位置にはペンキでマークがされているが、この間隔がちょっとキツイ。反動をつけヨッコラショと、腕の力で上部の岩の突起を引っ張る感じでないと、クリアできない。

行場めぐりは周遊コースで、順路にしたがって登山者が入るので、すれ違う人はいない。前方でガサガサと枯葉の音がしたら、それは人ではなく大きめのヤマカガシ、ひなたぼっこの邪魔をしてしまったらしい。

ここが一番の難所というところを過ぎたので、もう一周したかと思ったら、そうじゃなかった、ここでルートを外してしまう。前方の木の幹にペンキで小さな×印があったのに気がついていたが、方角としては真っ直ぐのはず、ダメなら戻ればいいやと、灌木の中を直登する。
 大きな岩に阻まれて左に回り込めば、ややあって行場めぐりのルートに合流。元のだらだらの巻き道に戻って金胎寺にゴール。ちょうど2時間、自然のフィールドアスレチックという格好、木製遊具とロープの代わりに、岩と鎖という感じ。なので、入山料300円ということか。

休憩所の横に、行場めぐりの案内図が写真入りで掲示されていた。「あれっ!」と、驚いたのは、私はひとつ飛ばしてしまったということ。コースを離れて道のないところを進んでしまったので、「平等岩」を通っていない。×印のほうに進まず、左に大きく迂回したら、この岸壁に遭遇したはずだった。これは大失敗、ここは巨大なスラブを鎖で登攀というスリリングなスポットのよう。とても面白そうなのに。せっかく出直した金胎寺の行場めぐりで、また忘れものをしてしまった。

うちに戻ってネットで山行記録を探したら、「平等岩」の鎖での直登は禁止で、巻き道を行くようにとの指導がされているとか。きっと過去に事故でもあったのだろう。ここは迂回したという人が多い。確かに、写真を見るかぎり、ある程度の心得がないと、途中で進退窮まるということも考えられる。
 なんだか、画竜点睛を欠くといった趣の行場めぐりになってしまったけど、まあいいか。

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