近畿のへそへ ~ 神野山
2007/7/22

三週続けて山登り、まだ梅雨も明けないのに低山徘徊とは物好きの極みだ。車を使っての半日コース、今回も名阪国道を東に。前二回は展望のない山だったから、今度は360°の眺めを求めて神野山(こうのやま、619m)へ。ここは位置的には近畿のほぼ中央、さして高い山はないかわりに標高500m程度の高原と山間の集落が続く。たしか、以前家族とツツジを見に来たことがあったように思う。車で茶畑の間の道を走っていたら、いつの間にか山頂、そういうなだらかな山容なのに眺めがよいのが不思議。あちこちが茶畑として拓かれていて高木が少ないということもあるし、ここより高い地点が周りにないということもある。

名阪国道の神野口インターを降り、麓を縦横に走る県道のうち、東側、神野山公園線という道沿い、鍋倉渓の橋のたもとの駐車場に車を置き、ここから登る。のっぺりした山なのに、ここだけがゴロゴロの岩が連なる谷になっている。山頂近く、深い谷でもないし、山肌を削り巨石を運ぶ水流があるとはとても思えない。くろぐろとした角閃斑糲岩の沢筋は伏流となっていて水音は全く聞こえない。不思議な景観である。天の川をミラーリングした人工物という説もあるようだ。なので、牽牛も織女も登場するわけで、わし座アルタイル(牽牛)の位置にあるのが天狗岩という解釈。当然、こと座ベガ(織女)、はくちょう座デネブに相当する巨石などがあり、天空の二等辺三角形と見事に相似形であるという。こじつけめいた説で、俄には信じ難いが、そんな珍説が出るのも、この奇景のゆえか。

30分ほどの登りで山頂、立派な展望台があって、この上からはまさに展望360°。雲が多く、遠望は無理だが、東に高い山脈もないし、大台ヶ原や熊野灘と同じで、距離的・位置的には富士山が見える可能性がある。もっとも東の青山高原のほうが少し標高があるから、それはちょっと無理かも。

山頂の樹木のすぐ南側は茶畑、そうか、前はこの仕事道を辿り、車で山頂まで来たんだったか。それとも、少し下ったところの神野寺に車を駐めたんだったか。汗をかかない山登りだと記憶が希薄になるものだ。

帰り道、名阪国道の坂を下ると先週と同じことなので、県道80号奈良名張線を辿る。奈良の県道にしては意外に走りやすい道で、交通量も少なくて抜け道的な価値がある。奈良盆地に下りたところは何度も訪れたことのある白毫寺の前。今日は素通りで、いつものスーパー銭湯へ。

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