山また山の奈良を味わう ~ 三郎ヶ岳
2007/11/3

11月3日、文化の日、昔から晴天の特異日だ。朝起きたら雲一つない秋晴れ、これじゃ家にいるのがもったいない。我がドラゴンズはポストシーズン10戦9勝の怒濤の進撃で日本シリーズ第6戦はなくなったし、ゆったりとした気分で宇陀に向かって車を走らせる。

昔に登ったことがあるような気もするし、そうででないような気もするし、行ってみたら白黒がつくと思って出かけたのは三郎ヶ岳(879m)。どうも山頂からの眺めに記憶はないので、これが初めてかも。しかし、登ったとしても30年以上前のことで、雨男だから山頂の眺望だけでは判断がつかない。

山頂で出会った中年登山者のグループによれば、今は山麓のバスの便がほとんどないそうだ。私の手許の今は絶版となった昭文社のボロボロの登山地図(「赤目・倶留尊高原」、絶版)には、バス路線も停留所名も記載されているんだけど。

かく言う私は、何度も迷いながら最奥部の石割集落まで車を乗り入れる。マップリーディングが間違っていなければ、ここから頂上まで小一時間のはず。さて、どこから取り付いたらいいか、それらしい道標もないし、民家に尋ねるのも気が引ける。ままよと、勘を頼りに山仕事の道に分け入る。伊達に40年近く山屋をやっていた訳ではない、すぐに結果が判明。これが地図上の最短コース。時代的にはかなり新しそうな摩崖仏も現れるから、これが正解のルートだった。

尾根に出てからは相当な急登、登山道にはずっと鎖がつけられている。人家からわずかの時間、なのに本当に奥深い山の中。高さはないけど山頂からは360°の大展望だ。これは見事。目立つ山は少ないから同定が難しいけど、それでも登った山を数えあげれば、すぐに20や30にはなりそう。交通の便が悪いせいか、静かな山頂だ。東の曽爾高原にはススキの原を見に沢山の人が訪れているだろうし、西の談山神社ではサッカー大会じゃなかった、この日は蹴鞠をやっているはずで、きっと観光客だらけ。

この山のすぐ南の石割峠は昔の伊勢本街道、反対側から登ってきた三人のグループは、その道を辿って榛原に向かうとのこと。現在の国道369号はもう少し南を通っているが、西の諸木野から峠を越える旧道はちょっと見では草生した廃道の趣きだ。彼ら、まともな地図も持っていないようだったし、大丈夫なんだろうか。

下りは、それこそあっと言う間、途中の妙法二神の井戸で水を汲んで、明日のコーヒーに使おう。
 帰路に宇太水分神社に寄ってみる。大和の四つの水分神社のうち、これで三つに参拝したことになる。社殿は国宝ということ。境内自体は前に行った都祁水分神社のほうがずっと立派だけど。

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