JR東海の謎 ～ 新大阪駅、右往左往
2008/1/28

仕事が替わって出張の機会も多く、鉄ちゃんづいている最近だ。

2月末に東京での出張用務があり、その4日後に今度は金沢へ。それで、購入した切符は、東京発、山科経由、金沢行きの片道乗車券、この距離だと有効期間は５日に延びるので、いったん山科で途中下車の扱いとし、京都まで180円の切符を別途購入。4日後に山科から残りのルートを辿るということ。金沢へ行くときは大阪市内の会社発なので、もちろん山科までは２枚の切符。つまり、JR西日本の大阪・京都間の昼特きっぷ＋先の180円の一駅間の切符。それに、4日前の東京・金沢間の途中下車の続き、都合切符3枚の合わせ技。

このぐらいだと、鉄ちゃん初級編だが、新大阪から金沢に向かう際には、京都まで新幹線自由席、そこでサンダーバードに乗り継ぎという裏技を使う予定。こうすると、在来線特急が乗継割引の適用となり、湖西・北陸線の特急券は半額、しかも新大阪・京都間は新幹線の特急料金が割安に設定されているので、新大阪からサンダーバードに乗り込むよりもお得。おまけに金沢までの所要時間は変わらないか、ちょっと速いぐらい。ここまでやると、鉄ちゃん中級編。

さらに、東京に行くときは、株主優待券がある近鉄で名古屋まで。名古屋で新幹線に乗り換えという節約ルートの予定。奈良から京都経由で行くよりも40分ほど余計にかかりるが、近鉄特急のほうが乗り心地もいいし、名阪間は南側ルートなので、この季節、新幹線のように米原付近で雪の影響を受けるということもない。もちろん、名古屋から東京へは「ひかり早特きっぷ」。

ところが、この名古屋・東京間の「ひかり早特きっぷ」を買う とき、新大阪駅のJR東海窓口の大いなる謎に遭遇。

JR東日本管内の東京都内と同じように、大阪市内はJR西日本の縄張りなので、JR東海の窓口は新幹線新大阪駅構内の一か所だけ。したがって、JR東海の企画きっぷである「ぶらっとこだま」や「ひかり早特きっぷ」は、ここでしか買えない。

そのJR東海の窓口、6つある窓口のうち、カウンターの奥の2つがJR東海、手前の4つがJR東海ツアーズの所管、そして、件の早特きっぷは、何と、JR東海の2つの窓口でしか買えないという摩訶不思議。
　確かに、早特きっぷは、「出発地および到着地周辺のJRの主な駅、主な旅行会社でどうぞ」とWeb上には掲載されていても、"周辺"の範囲については、どこにも書かれていない。

「名古屋−東京のきっぷは名古屋周辺か東京周辺でしか販売できないんですよ」というのが、JR東海ツアーズの窓口のおにいさんの弁。
「それは、ちょっとおかしいんじゃないですか。大阪市内に勤めていても、自宅が奈良県の近鉄沿線だと、新幹線乗り継ぎは、新大阪、京都、名古屋のいずれも場合もあるでしょう」と反論し、実際に端末で試してもらったが、入力画面そのものが出ないとのこと。

それで、隣のJR東海の窓口に場所を替え、同じ切符を申し込んだら、あっさり発券。なんだこりゃ。こちらの窓口のおねえさんに訊いたら、「普通に機械に入りますよ。あちらは古いタイプの機械なので、そのせいかも…」

カウンターの内側には両社のブースの間に壁があるけど、カウンターの客側は６つの窓口がフラットに並んでいて、もちろん、お客の待ち行列はひとつ。空いた窓口に順次案内されるようになっている。単純に考えると、件の切符が買える確率は1/3。各窓口に会社名は小さく表示されているが、お客はそんなことは意識しない。「私、あっちの窓口なんで、先にどうぞ」と、後ろに並んだ人に順番を譲ると怪訝な顔をされてしまった。

そんなことで、JR東海のホームページから、「こんなおかしな状態なので、どの窓口でも買えるようにしてほしい」という要望を伝えましたが、どうもこれがやぶ蛇。
　早速、私の携帯にJR東海の担当者から電話があり、「ご迷惑をおかけしました」とのこと。それで、どの窓口でも購入できるようになるかと思ったら、全くその逆。JR東海の窓口のほうが誤った対応をして、発券してしまったということらしい。

でもね。なんかヘン。これじゃ自社の商品を直営店で販売しないということだし、そもそも、窓口での「早特きっぷ」とほぼ同等の条件の「エクスプレス予約」なら、世界中から事前購入できるんだし。とまあ、こんな理屈で担当者を論破しても、会社としてすぐに顧客本位の対応に切り替わるものでもなさそう。外から窺い知れない内部規定で、そうなっていますで片付けられそうだ。恐縮する担当者に、「もう一度、じっくり検討いただくようにお願いします」と言い置いたが…

顧客の声に対するレスポンスの良さは評価に値するにしても、民営化後20年経っても、まだ役所みたいなところが残っているのかなあ。やれやれ、これじゃ件の切符を買うときは、東京にいる息子に買わせて、奈良に郵送させるという手間をかけることになる。そんなアホな。