出なおし近江富士 ~ 車窓の山に登る
2008/12/7

11月の終わり、紅葉を眺めに湖東の永源寺まで車を走らせ、ついでに近江富士に登ってというプランを立てたのはいいが、時間が足りず紅葉狩りだけで終了。なので、心残りの山登りに再挑戦。あのときは、時間の関係で高速道路を使ったものの、もったいない、今回は終始一般道にて。渋滞のない裏道伝い、大して時間が変わるわけでもない。

名神高速道路と東海道新幹線の間、これまで何度車窓から眺めたか判らない近江富士、それは通称で本来の名前は三上山(みかみやま)、前に登った山城の三上山(さんじょうさん)とは、読みが違う。
 平野の中にポコンとある山、讃岐平野もそうだけど、近江平野にはそんな山が多い。標高差にしてみれば僅か、麓から一時間足らずで登れるので、半日ハイキングには好適。

不思議な場所だ。草津や守山の市街地がすぐそばなのに、国道8号がすぐ脇を通っているのに、この一帯は自然公園、南側からは稲刈りの終わった田んぼのはずれに三角錐。公園の色づいた銀杏の向こうに三角錐。標高こそ一桁違うが、富士の異名はまんざら不当ではなさそう。

さて、自然公園の駐車場に車を置き、いきなりの山登り。この斜度ではあったほうがいいかなと持参したダブルストックで歩き出す。まっすぐ登る健脚コースと、ジグザグの一般コースが何度も交錯、もちろん距離の短い健脚コースをハアハア言いながら一目散に。

あっさり頂上、一番高いところは木に囲まれて眺望はない。わずか下った祠のところからは西側の大展望。川のように見えるのは大津に向かってくびれて入り込んだ琵琶湖、その向こうは逢坂山から比叡山。露岩の上に登って景色を眺めながらお弁当。天気はいいし、寒くもないし。

そうしていると、おばさん三人連れが。「ああ、やっと着きました。ありがとうございます」と祠に手を合わせている。「とうとう、100回になりました」と報告しているよう。地元の人らしい。

「100回ですか、満願成就ですね」なんて声をかけようものなら、得たりやと、おばさん三人を相手に往生するなと思い、聞かぬふりをして静かに山を満喫。やっぱり、声をかけてあげるべきだったかなあ。ちょっと申し訳ないことをしたかな。

下りは膝を気遣って、もちろん一般コース。あっという間に自然公園のふるさと館に辿り着く。中を覗いてみると、ロビーに薪ストーブが置かれ、勢いよく燃えている。木製の椅子に座って、居眠りでもすると気持ちがよさそう。

ここは、バンガローも並んでいて、手軽なキャンプも楽しめる場所になっているようだ。最近整備されたのか、施設も新しい。まあ、きっと夏は暑いと思うけど。秋から冬にかけては快適かも。雪は降るところだが、この標高と樹林では積もったところで、真白き富士の嶺とならないのが残念。

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