金勝アルプス岩めぐり
2009/11/28

近場の山登りで、そんなに早く出かける必要もないのだが、午前中に登って、日帰り温泉で汗を流し、16時開演のコンサートに行くというプラン。なので、5時過ぎには家を出る。国道307号を信楽方面に向かう。夜も明けやらぬ空いた道路、衝突で大破した車がいるかと思えば、狸どころか撥ねられた鹿が道路脇に転がっていたりする。きっと餌を求めて人里に降りて来たんだろう。

ダム建設中止で揺れている大戸川沿いの県道を経て金勝寺に向かって林道を辿る。朝の7時だから人っ子ひとりいない鄙びた山寺である。参拝の後、しばらく林道を進んだところが金勝アルプスの登山口、駐車場は当然のことながら空っぽである。天気は良いはずだが小糠雨、近江富士が墨絵のように霞んでいる。まあ、そのうちに晴れてくるだろう。
 この一帯、金勝アルプスと呼称されていて、岩がゴロゴロという地勢、山腹を真新しい第二名神道路が貫通している。まだ遅い紅葉が続いている。この山は普通のハイキングコースと違って事故も多いのだろう。緊急連絡用の地点表示の看板が随所にある。

歩き出したら、ものの10分で竜王山(604m)頂上に到着、今日の山登りは下りから始まるというヘンなコースである。一年前に登った笹間ヶ岳や堂山と同じような地質だ。花崗岩に灌木、尾根筋には奇岩が累々、それでアルプスという命名なんだろう。まあ燕岳あたりと似ていなくもない。

特段それぞれに名前が付いているわけでもなく、耳岩、天狗岩というのが代表格、いずれも小ピークのてっぺんに鎮座する巨岩ということで目立つことは間違いない。それぞれルートがあるので登ることは可能、もちろん、岩の上に登り悦に入る。天狗岩の上でとんでもなく早いお昼にして小一時間過ごすと、ようやく麓の登山口から登ってきた中年夫婦が現れる。もう12月も近いが、寒くもなく快適なものである。

ぼちぼち登山者の姿も増えてくるだろう。お天気も回復した。戻り道、稜線から少し離れた沢筋にある狛坂磨崖仏、そこまで降りてみる。廃寺ということで、石仏だけが残っている。相当に古い時代のものらしいが、立派なものである。信仰とはいえ、よくまあ、こんな山の中で手間のかかることをしたものである。

登り直して登山口に戻る。早起き登山は静かでよいものだ。この程度なら膝の調子も問題なし。駐車場には車が数台に増えている。こちらは、さっさと下山。たぶん紅葉狩の最後の週末、京都市内の神社仏閣は賑わっていることだろう。

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