三連休、宇陀ハイキング
2011/10/8

この前のお伊勢参りハイキングは台風直後の増水のなか、酔狂としか言いようがなかったが、三連休に再挑戦。と言ってもお伊勢参りシリーズではなく、週末にどこかの駅でやっている駅長お薦めフリーハイキングという企画だ。JRも含めどこの私鉄でもやっている乗客増を狙ったイベントである。
 ハイキングぐらい地図を片手にいつでも行けるようなものだけど、これに乗っかると要領よく見所を網羅したコースマップが配布されるので楽でいいし、自分では気がつかなかったような発見もある。カミサンはコース途中のアニマルパークで牛を見るのが楽しみだそうだ。ただ、近鉄にとって誤算なのは、スタートの大阪線榛原駅まで電車利用ではなく車で出かけたことだろう。片道670円、二人で往復すれば2680円、駅前のコインパーキングは5時間でも500円、そして無料の名阪国道経由だからこの差は大きい。まあ近鉄の収益には繋がらなくとも僅かながら地元にお金を落とすことには違いないし。

榛原は生まれ故郷だ。初瀬街道と伊勢本街道が分かれる山あいの町、ときどき来るのはいつも山登り、平地のハイキングというのは初めてかも。コースは駅から南に芳野川沿いの神社仏閣を辿り、途中で小さな峠を越えて今度は宇陀川沿いの道を辿る。うだアニマルパークという施設でこの日開催されている「ふる里宇陀黒豆枝豆まつり」を覗き、古い城下町の宇陀松山を散策するという8kmほどのコース。

子どもの頃に馴染んだ眺めは街中だけだから、ちょっと離れると昔の記憶にはない。宇太水分神社からいくつかの山麓の神社を経て八咫烏神社までが芳野川沿いである。三十八神社、八坂神社、蓮昇禅寺を経て八咫烏神社、地元の社寺とはいえちょっと離れた場所に住んでいたら全く知らないのだなあ。八咫烏神社はサッカー日本代表の鎮守なのでややメジャー、ここは二度目だ。サッカーボールを頭に載せた鳥の周りには「ありがとうございました」とかのメッセージ付きの千羽鶴入りペットボトル。こりゃ何だ、なでしこジャパンのお礼参りだっりして。

榛原は二つの川が合流する山あいなのに、それぞれの上流は平地が開けている。こういうことは子どもの頃には判らなかったことだ。通称大和富士、額井岳の姿が山の字のとおりに見えるが、幼い頃の残像はない。近くの山の姿など気にもとめなかったのか。

うだアニマルパークは2008年のオープンというから、知らなかったのも当然か。畜産技術センターはその前からあったようだが、丘陵全体が公園になっており、動物学習館、動物愛護センター、飼育体験舎などの建物があり、広い牧場では家畜が遊んでいる。もともとは畜産関係の施設だったんだろう。いまは子ども連れで一日楽しめるような動物公園に衣替えしたということのよう。ここの入口付近にはカザグルマ自生地があり、国の天然記念物に指定されているらしい。テッセンのような花で花期は5月ということ。スズランといいカザグルマといい、古里には珍しい植生があるのを今頃になって知る。

ふる里宇陀黒豆枝豆まつりで、公園内では黒豆、枝豆、味噌汁の振る舞い、これならお弁当を持ってこなくてもよかったかな。枝豆収穫体験一人300円のところ、ハイキングマップ持参の場合250円、二人でちぎったらレジ袋がずっしりと重い。二軒にお裾分けできるほどの量となった。

ゴールの道の駅宇陀路大宇陀は近い。アニマルパークにカミサンを残し、宇陀松山の古い街並みを歩く。森野旧薬草園には一度来たことがあるし、国道166号の抜け道よろしく車で通り抜けたことも何度もあるのに、城下町の西口関門は知らなかった。宇陀松山地区として近鉄も最近紹介に努めているようで、確かにアニマルパークとセットで秋の行楽には好適かも。ハイキングのコースとしては道の駅から榛原駅に戻るのだが、奈良交通バスは420円もかかるので一人で先に車をとりに戻る。二人で都合3000円ほどの節約。

その節約分を充当するのはこれしかない。先の阿保宿では休業日だったが、この日は土曜日、古い造り酒屋の扉は開いている。「初霞」醸造元、久保本家酒造である。道の駅には小さな瓶のものが並んでいるが、すぐそばの蔵元で求めるのは当然に一升瓶、道の家の足湯に浸かるカミサンを残し、呑兵衛は杉玉を目指す。

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