五右衛門ヶ原野球場住宅
2011/11/1

これも地球温暖化なのか、年々衣替えの時期が遅くなる気がしてならない。冬物への入れ替えで押し入れをゴソゴソしていたとき、カミサンが言うには、「とうちゃん、このオイルヒーター、オークションで売れるやろか。うちでもう使わへんし、被災地の人に使こてもろたらいいけど、どこに持って行ったらいいのか判らへんし…」

子どもがまだ小さい頃に使っていたデロンギのヒーターだ。そうそう壊れるものではないし、電気代は高くつくにしてもまだまだ使える。それでヤフーオークションに出品することにした。カミサンの意向を汲んで被災地支援のチャリティーに、落札金額全額を被災地支援に回す。いくらで売れるのか判らないが、開始価格は500円だ。オイルヒーターの出品は結構あって、うちのよりも新しい製品も多いからこの程度が妥当な値付けだろう。

案の定、競り上がることもなく開始価格で落札、募金額は少なくなってしまったが、まあ仕方ない。さて梱包でもするか。近所のホームセンターでもらった段ボール箱二つを解体しぴったりの大きさに作り直す。手間のかかることだがこれも被災地支援活動の一環だ。

落札者からの連絡を見て驚いた。落札したのは東京の人だが、送り先として発送依頼されたのは被災地のようだ。親類縁者の代行なのか、被災地支援のボランティアの仲介なのか。宮城県気仙沼市、住居表示は五右衛門ヶ原野球場住宅となっている。

たんに住所、なのに、それだけで震災が現実のこととして伝わってくる。きっと高台にあるスポーツ施設が仮設住宅の用地になっているのだろう。Google mapで検索してみる。想像したとおり、海岸からかなり奥に入った、山を切り開いた運動公園のようだ。航空写真に切り替えると確かに野球場のグラウンドが見て取れる。脇のスペースは駐車場なのか、建物らしきものが並んでいるので、これが仮設住宅なのか。

さらに、ボランティアの人たちのブログを見ると、ここは大規模な仮設住宅建設地のようで、被災者支援の拠点らしい。そして野球場の中にも建設が行われている模様で、航空写真とはタイムラグがあるようだ。今どきの仮設住宅なら防寒対策もそれなりに施されてはいるだろうが、普通の住宅のようにはいかないだろう。季節は冬に向かう。

僅かながらも代金をチャリティーにと思って出品したヒーターだけど、現物そのものも被災地に行く。カミサンともども何だか少し嬉しい気持ちになる。ところで、被災地の電気代はどうなっているんだろう。福島県なら道義的に徴収はできないようにも思うが、ここは宮城県だし東北電力管内である。このオイルヒーターはクリーン暖房である反面、電気代がネックなだけに下世話なことに思いを致す。ともあれ、こんな形で暖かさが東北に伝わるなら、デロンギも浮かばれるというものだ。

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