御所の霜月祭+葛城古道を歩く
2011/11/13

週末の仕事が続いて、あっちに行ったりこっちに行ったり、家を空けることが多くなった。出張の予定のない週末、土曜日には開催期間も終わりに近い正倉院展、日曜日はカミサンが歩きに行きたいとのことで、またも近鉄駅長おすすめハイキング、この日は近鉄御所(ごせ)駅スタートの町歩きだ。前回の宇陀ハイキングに続いて往復はクルマという近鉄には申し訳ないアクセス、大阪阿部野橋からならともかく、自宅からは3回の乗り換えになる目的他だし。

近鉄御所駅はJR和歌山線の御所駅の隣、同じ和歌山線吉野口駅のように一体化はしていないが、乗換駅みたいなものだ。近鉄の支線はここで行き止まりである。葛城山ロープウェイへはここからバスが発着している。

奈良には古い町屋なんて珍しくも何ともないが、五條にしても御所にしても古くても現役の家が多い。昔から代々同じ商売という家も珍しくなく、古色蒼然とした看板などが健在なのは面白い。極端に古ければ文化財なのだが、適当に古いというのがいい。
 この日は霜月祭(そうげつさい)という最近始まった町起こしのイベントに当たっており、開放されている町屋もあちこちに、道筋には出店が並んでいる。そんなのを眺めていたらウォーキングどころではなくて、一向に先に進まない。街角の肉屋で揚げたてのコロッケを買って即立ち食い、道すがら、柿だ蜜柑だ野菜だと、空のリュックサックはあっいう間に膨らむ。
 オレンジ色の幕が掛かっているのが公開中の町屋の標らしい。あちこち入っているとハイキングと言うより道草、まあそういう趣旨のイベントだろう。立派なお寺がある。円照寺という。ボランティアのガイドの人がいて、ここは個人の寺ですとの説明、王侯貴族でもないのにこんなものを建ててしまうとは、往事の御所の経済力が偲ばれる。

それで、霜月祭のメインイベントは行者のおねりということだ。駅前からスタートして旧市街を吉祥草寺までのコース、町歩きの途中で遭遇したのろのろと進む踊りの列はその前触れなのかも。ブオーという法螺の音が聞こえたので慌ててそちらに向かうと、狭い通りをいっぱいに山伏姿の人たちが行進中、どうも朱い傘のあたりが先頭集団か、そこまで追いかけることは道に人が犇めいて断念。遠目に眺める。

お昼は葛城川沿いの葛城公園で、町中で買った柿の葉寿司などを頬張る。公園の中でもたくさんのテントが張られ、焼きそばやら何やら模擬店が出ていて地元野菜の販売もある。ますますリュックが重くなる。ひととおり設定されたハイキングコースを巡ると約5km、道草が多いので時間はかかったが、まだ少し歩き足りないので、オプションを付ける。葛城古道をちょっと歩いてみようというわけだ。向かうのは一言主神社、ここの銀杏はもう色づいているだろうか。

前に訪れたときは森閑としていた神社なのに、この日はそれなりの人出、近鉄電車の中にもここの観光ポスターがあったからそれに惹かれてという人たちかも。でも、まだ早すぎたようだ。葉っぱはまだ緑だ。あと半月は待たないといけないだろう。
 神社の駐車場に車を置いたまま九品寺に向かう。これが葛城古道の一部になる。山際に沿ってくねくねと続く道は山辺の道と付き方が同じ。はじめは車道だが、そのうちに田んぼの畦道同然となる。道しるべがないと迷ってしまいそう。大和三山を望む小高いスポットもあって、長閑な眺めが楽しめる。「天香具山はどれ」と聞かれても、なかなか説明が難しい、耳成、畝傍は簡単だけど、「あのちょっと小高くなって奥の山に繋がっているような感じのところ」で判るかな。そんなことを言いながら、ゆっくり小一時間かけて九品寺に到着。

一言主神社から車で向かえば10分もかからない九品寺、歩いて往復すると御所のハイキング以上の道のりとなる。まあこれで歩き足りないということはない。あまり遅くなっては日本シリーズ第2戦が始まってしまう。ビジターでの連勝を目指して気合いを入れて応援しなくては、さあ、急いで戻るぞお。

ジャンルのトップメニューに戻る。
inserted by FC2 system