若草山に遊ぶ ~ 地元民のGW古都観光
2012/4/28

ゴールデンウィークは快晴の幕開けとなった。定年退職者はいつでも休日だから、こんな時期に出歩くことはないのだけど、よい天気に誘われて近所のウォーキングだ。奈良市内の観光スポットは人だらけ、車を駐めることもままならないのは判っているので、買い物ついでにイトーヨーカドーの駐車場に車を置く。3時間無料だし超過しても時間あたり100円だから問題ない。歩く距離は増すがそもそもウォーキングなのだから関係なし。

佐保川の土手を歩いて東に向かう。桜のシーズンには賑わっていても今は近所の人が散歩するぐらいだ。シーズンには枝垂れ桜が見事な大仏鉄道公園を経て、奈良女子大の裏手を過ぎたら、程なく東大寺境内だ。大仏殿の裏手、正倉院との間の道を登れば二月堂、修二会のときに夜中に来て以来かな。三月堂、手向山八幡宮と辿れば若草山の麓に至る。

出かけるときにカミサンが「若草山って、確か入山料がいると思うけど…」と言っていたが、私にはそんな記憶がない。そもそも歩いて登ったことがないのだ。奈良奥山ドライブウェイを走れば頂上の裏手まで行くので、そっちの経験はあっても登山の対象とは考えもしなかった。
 やはり料金所はあった。入山料150円、山焼きとかのメンテナンス経費もあるだろうし、まあ安いものである。ここまで来た道も世界遺産の中を抜けてきたようなものだし、境内に入るだけでも金を取る京都の寺とは大違いのおおらかさ、地元びいきではないがこれが奈良のよいところ。

可笑しいほどの上天気だ。気温もひょっとして夏日ではないか。芝の上から眺めれば平城の都が広がっている。生駒・信貴・二上・葛城・金剛の西のスカイラインの連なりも綺麗に見える。もちろん、眼下には天平の甍。若草山は三段になっていて、三段目が頂上、実は一段目の尾根上からの眺望が素晴らしい。そこでこの部分だけが有料なのだ。山頂一帯は無料というのも良心的ということ。

三段目の頂上のすぐ下に料金所がある。頂上から下ってきた人はここで150円を支払う。麓から登ってきた人は山頂を往復しても再入場は無料だ。木立など遮るもののない緩やかな傾斜を上り下りすると、靴底を通した柔らかな地面の感触が心地よい。途中でサンドイッチを頬張ったりして、歩き始めから山頂まで2時間ぐらいか。奈良の中心部を横断し山に至ったということになる。

メインストリートを北に外れたコース、予想どおり観光客の姿はまばらだ。下から眺めることはあっても、奈良観光に来て若草山まで登る人など少数派でしかないだろう。きっと近隣の人がほとんどじゃなかろうか。「あっ、学校が見えるよ」なんて、双眼鏡を覗きながら歓声をあげている親子連れの会話が耳に入るのだから、私の推測もそう外れてはいないだろう。麓のほうからシュプレヒコールのような声が聞こえてくる。どうやらメーデーの集会のよう。GWの真ん中の5月1日に開催したら遊びに行く人間が多くて、動員が不調になることを見込んだ繰り上げ開催なんだろう。切実感がなくて全然気合いが入っていないなあ。

頂上は鶯稜という古墳でもあるらしい。いちおう鎖で囲われているが、どうぞ跨いで行ってくださいというような緩さ、のんびりした気分が横溢する奈良である。

下りは春日大社のほうへ向かう。登大路はいつもどおり観光客の波だ。半袖でも暑いぐらいになってきたので、戻りは近鉄でひと駅乗車、新大宮まで電車を利用することにした。それでも15000歩、半日のエクササイズとしては充分。

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