北八ヶ岳、どろんこハイキング
2012/6/17

天気が良ければ山歩き、雨になるなら温泉三昧というつもりで足を伸ばした信州、梅雨前線は南に下がったようで梅雨なのに晴れ間がのぞいた。それなら予定の北八ヶ岳の散策だ。麦草峠を目指してレンタカーを走らせる。埼玉に住んでいた頃、家族と佐久側から山越えをしたことがある。そのときは山登りはせずに麦草峠を通過して霧ヶ峰に向かった。今日は北八ヶ岳を歩く。

麦草峠から北に縞枯山を越えて適当なところで引き返すという算段、あまり計画的とは言えない山歩き、それでもコースと所要時間は頭に入っている。この先はコンディションと相談ということだ。梅雨のさなかなで国道沿いの駐車場は空いている。少し歩くと見覚えのある麦草ヒュッテ、ここから周遊コースがスタートだ。朝まで雨が残っていたので、登山道は沢や水溜まりのようになっているところが随所にある。気にしていたら滑って危険、委細構わずジャブジャブというのが正解、あっという間に靴は浸水。これは水虫にはよくないが仕方ない。

茶臼山まで登れば水浸しからは免れる。展望のない山頂から少し西に行けば眺めが開ける。そこは火山礫の尾根で風がとても強い。諏訪の一帯が眼下なのだが、回復基調でもまだ晴れ渡るというところまではいかない。足下が悪いせいで思いのほか時間がかかった。ここから縞枯山までは近い。1時間もかからず到着。ここも山頂自体は眺望が得られず、手前の岩場がヴューポイントとなる。

南の八ヶ岳主稜線は薄雲のなか、あれが赤岳かなあというぐらい。麦草峠から茶臼山を経て縞枯山、辿り着くまで誰ひとり姿がない。縞枯山の頂上に至ってようやく人影が現れる。ここまでなら横岳ロープウエイで登って往復する人がいるのだ。したがって雨池峠までの下りには大人数のパーティも散見される。山頂の北と南で大きな違いだ。

空はずいぶんと明るくなってきた。雨池峠に着く頃には爽やかな高原散歩の様相、緩やかに下る木道を辿る。ロープウェイの頂上駅付近まで来るとほとんど都会、山登りの足許とは思えない格好の人たちも目につく。さあ、ここで戻りの時間との相談だ。とりあえず遅い昼ごはんのサンドイッチを頬張る。復路は山腹を捲く平坦路で出発点に戻るつもりなので、横岳の頂上までは行けなくても稜線まで往復できるだろう。

ローブウエイ頂上駅付は坪庭と名付けられ遊歩道が一周している。その道を進んで途中から横岳に向かう。坪庭というのはゴツゴツとした火山岩の露出したところだ。高山植物もちらほら見えるので、観光客が遊歩道からはみ出さないように柵が設けられ道は舗装、機械力で大勢の人を引き上げる以上やむない措置なんだろう。横岳の登山道に入るとこちらは普通の山道だ。大して時間もかからず稜線に出たら北横岳ヒュッテの前だ。ヒュッテの前から北に少し下ると七ツ池、登山コースから外れた行き止まりの道なので横岳に登る人は素通りするかも知れない。それ故にこの池の静謐さは特筆ものだ。行かなかった山頂よりもこちらがハイライトではないかな。戻りの時間は気になるが、しばし池の畔に佇む。

ロープウェイ駅まで戻り麦草峠までの平坦路を辿る。途中まではしっかりした木道が伸びている。「この道はロープウェイの山麓駅には行けません」という案内が何か所にもある。間違って踏み込む人が後を絶たないのだろう。麦草峠までの行程にして半分、そこで木道は終わりまたもドロドロ、ビチョビチョの歩きとなる。せっかく乾いた靴も元の木阿弥だ。1時間ほどで車のところに戻れると思ったら、なかなかそうはいかない。平坦路はコースタイムを短縮するどころか、道の状態によっては余分に時間がかかる。日の長い時期だし全く問題はないにしても、周遊を終えて麦草峠に到着したのは午後4時を回ってしまった。人後に落ちない雨男の割には足許はともかく梅雨時なのに降られずに済んだのが幸い。

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