それ行け、春鹿酒蔵まつり2012
2012/9/16

まだ暑いこの時期に酒蔵まつりというのはちょっと妙だが、そんなことはどうでもいいや。奈良の街中で働いているカミサンからの情報、これは行かねばならぬ。

今西清兵衛商店には近鉄奈良駅から公園を抜けていく。キャベツとサツマイモを刻んで袋にいっぱい、これを持って行けば鹿のアイドル。せんべいに食傷気味の鹿たちにとって、新鮮野菜は願ってもないご馳走、次から次に集まってきて、もっとよこせとこちらの体に頭をぶつけてくる。人に慣れているのでこんな感じだが、そろそろ角切りの季節、大きな角の鹿がいるところは避けたほうが無難だ。せんべい売りのおばちゃんの営業妨害になってはいかんので、ちょっと離れたところでサービスしたらアッという間に完食だ。

何度か訪れた春鹿、今西清兵衛商店はいつもと様子が違う。駐車場には屋台が並び、普段は倉庫なのだろう、そこがイベント会場のようだ。小さなプラカップがずらりと並んで純米酒が飲み放題の様相、横には奈良漬け試食というより食べ放題気味だ。奥に入れば鹿飛ばしなんてヘンなゲームをやっている。これは有料、ハズレでも春鹿の猪口が貰えるみたいだが家には何個もあるのでパス。

いるいる、酒のケースを積み上げた即席テーブルがずらりと並び、立ち飲みの左党が鈴なりだ。女性の割合のほうが高いのが意外。でも、そういうものかも。表には平宗の柿の葉寿司をはじめ焼鳥、冷や奴、チヂミ、目刺し…。それを買ってきて試飲のカップを並べてぐびぐび。もちろんお酒の販売もやっているので、そちらとの合わせ技。子連れの飲み助はキッズルームを眺めるカウンターまであるぞ。近鉄奈良駅の人出が多かったのはこのせいでもないとは思うが、賑わいは大変なもの。そういえば、河瀬直美監督が主宰する、なら国際映画祭なんてイベントもやっているし。

酒は全くダメなカミサンは嘗める程度だけど、最近は春鹿白滴がお気に入り、一升瓶を購入しリュックに入れる。こちら真っ昼間からほろ酔い気分、転ばないように気をつけなければ。

と、隣の今西家書院、旧国宝の重要文化財ということで普段は見学350円だそうだが、本日は無料、といっても喫茶の営業で代金に込みということかも。紫蘇ジュース600円を注文。食事は平日2組・土日1組のみということらしい。しかも3日前の予約。

案内の人の説明では秋篠宮もお忍びで訪れたとか。上段の間の書院には庭から直接入る扉があり、そこから座敷に上がったそうだ。お付きの宮内庁の役人は中段の間、なかなか厳しい階級制度のなごり。

この書院の猫間障子、これがなかなか素晴らしい意匠だ。一本の溝に二枚の障子、どういう具合になっているのか、自分で開け閉めして納得。猫は一本の線上を歩くといわれることからのネーミングらしい。

当方、酔っぱらいまではいかず、重要文化財で粗相もしなかったので一安心、隣でしこたま飲んだ輩が入場したらリスクもあることだろう。ジュース600円はそのための価格設定と言えなくもないか。

これから、奈良の酒蔵ではこういうイベントの季節になる。これに味をしめてまた出かけてみるか。

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