曽爾高原 ~ どっちが目当てか
2012/10/7

お昼に家でうどんを食べて、それから出かけるということになった。午後1時の出発、名阪国道小倉インターから広域農道を辿る。やまなみロードなんて愛称があるぐらいで、これは室生寺への観光用バイパスのようなものだ。あまり知られていないのか、三連休とはいえ、とっても空いている。
 室生寺から先、国道369号までは狭い部分が多くなるが、伊勢本街道に合流すればまたも快速ドライブである。何度も走った道、スピードを出しすぎないように注意だ。掛集落から青蓮寺川に沿った道を行くのだが、今はバイパスが出来ている。
 やがて旧道に合流して曽爾高原への登り口に近づくあたり、ここにお目当ての野菜販売所がある。地元の農家のおとうちゃんとおかあちゃんが観光シーズンの日曜日だけ開けている小屋だ。車を横付けする。

「すんまへん、もう、トマトは売り切れましたんや」と、おとうちゃん。
「ハヤトウリが出てますな。前にあれ買いましたんや。また、もろて帰りまっさ」
早速、カミサンと大きいのを10個、これを薄くスライスして酢漬けにすると最高なのだ。一個30円。カボチャ、ムラサキトウガラシ、とどれも美味しそう。
「ハヤトウリも二種類ありますね。白いのと、緑のと、どう違いますの」と、カミサン。
「白いほうはあっさりしてますけど、このほうはウリらしい味がしますわ」と、店のおかあちゃん。「炒め物にしたらいいですよ」とも。

何だかんだといっぱい籠に入れたら、おかあちゃんが奥から小さな段ボールを持ち出して来た。開けると見事なトマトが6個、「これもよかったら」と。売り切れのはずが、上物のリザーブがあったようだ。午後3時も過ぎてそろそろ店じまいの時刻、屋台の商品もほとんどなくなる頃の上客ということだったのかも。もちろん、ありがたく購入。と、今度はおとうちゃんが、白い巨大なキノコを片手に、「これも持って帰ってや」とオマケだ。すき焼きに入れたりしたらええですよ」と。今夜の献立はこれで決まり。トマトを冷やしてケーキ状にカットして塩麹をかける。サイドメニューも揃った。

かくして、道端の野菜販売所で里の幸を仕入れて曽爾高原に登る。この季節になると近鉄のポスターに必ず登場するお馴染みの景色、高校時代に山登りした頃にも車道のようなものはあったが小型四駆でないと無理なような地道だった。今では中腹にファームガーデンなる道の駅のようなものまである。連休中日、四輪も二輪もいっぱいだ。屋外ではトラックの荷台でおやじバンドのライブをやっている。

お亀池手前の駐車場はこの時間でも込んでいるようだ。少し手前から車の列が出来ている。と、決断は早い。路肩に駐めて歩道を歩く。そこから20分ぐらい登れば到達する。

夕刊の一面に写真が載るのはまだ先のことだろう。その頃にはススキの穂が開いて存在感が増し、池のの周りではカメラの三脚が並ぶのだが、すっと伸びた今ごろのほうがいいという見方も出来る。

快晴とはいかぬものの、お亀池周辺は賑わっている。国立曽爾青少年自然の家なる立派な建物が高原の端に建っている。そして、池の畔には茶店まで出ている。半世紀近く経つと周りはだいぶ変わる。ススキの原は昔どおりだが、これも人手が入ってこその姿だ。黒一色の25000分の1の地図と見比べると何もなかった昔の姿が蘇る気がする。

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