京都一周トレイル其の弐 ~ 東山の残り半分
2013/11/4

このあいだの続き、蹴上から大文字山を経て比叡山まで歩く。どうってことのないハイキングと高をくくっていたら、最後に膝の痛みが出てきて悪戦苦闘という始末、最近すこし歩き足りないのかなあ。

地下鉄蹴上駅の通り向かいのトンネルを行くのが一周トレイルのコースなのに、三条通沿いに浄水場のほうに進んでしまった。いかんいかん、戻ってねじりまんぽと呼ばれる煉瓦造りのトンネルを抜ける。斜めに煉瓦を積んでいることから通称が「ねじりまんぽ」、全国に同様のものがいくつもあるらしい。ここ蹴上のものは疎水のインクラインが上を通る。といっても、今は使われておらず、琵琶湖と淀川を結ぶ船を運んだ遺構が残るだけ。軌道にしても列車が走っていたわけではない。それでもテッちゃんとおぼしき若者の姿があるのは、2本のレールがあればどこだってという種族かな。

日向大神宮は内宮・外宮が配され、京の伊勢とか言われているらしい。さながら今年が遷宮で大賑わいの伊勢神宮のミニチュア。こちら森閑としていて人の姿は数えるほど。この先、大文字山まで尾根筋の道を行く。頂上近くの四つ辻、右手から登ってくる道は前にJR山科駅から歩いたコースだ。左手、本来のコース、西に談合谷の沢筋を下る道は通行禁止となっている。先の台風の被害のもよう。

大文字山は二度目、頂上から少し下った火床は大賑わいだ。頂上よりもずっと眺めが開けている。銀閣寺方面から登る人はきっとここまでなんだろう。そうでなければ頂上があんなに閑散としているわけがない。前回は西にまっすぐ法然院の境内に下ったが今回はふつうに銀閣寺へ下る。

ここは相変わらずの賑わい、銀閣寺もメジャーだが、秋の京都観光、哲学の道を散策する人並み、これだと情緒も何もあったものではない。北白川の方面に道をとり病院の脇を抜けるといきなり山道、瓜生山を経て比叡山に続く長い道となる。整備されているはずの京都一周トレイルも、このあたりでは沢筋を辿るワイルドさ。右手の斜面からドドーンと大きな音がしたかと思ったら倒木の瞬間だ。ほほっ、この前の台風の雨で地盤が緩んでいるとみえる。くわばら、くわばら。

単調な尾根歩きで徐々に高度を上げていくが比叡山は遠い、短い秋の日、適当なところで下山しようかとも思ったが、膝の具合がどうも思わしくない。こんなざまなら登り切ってケーブルで降りるほうが膝にはいいだろう。最後の登りの一踏ん張りでようようケーブル比叡駅に到着。ここまで登ってもまだ紅葉には少し早い。ケーブル駅の待合室には千日回峰の写真展示がある。遊びで山登りをする身からは、修行僧は何が楽しくてこんなことをするのか理解できない。何ら社会的価値があるとも思えない行為だけど、そんな考えは俗人の故か。

叡電全線乗車はすでに果たしているので、初乗車はケーブルだけ。麓のケーブル八瀬駅の近くには紅葉の名所、瑠璃光院があるのだけど、前に訪れたときはシーズン終了直後、今回はシーズン直前、もっともこの時間だととっくに門は閉まっている。なかなかタフな東山コース後半の巻となった。

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