島ヶ原歴史街道ウォーク ~ へそ曲がりの紅葉探訪
2014/11/23

一週間前、京都一周トレイルを比叡山から大原まで歩いた。紅葉も進んだろうし、今度は続きの大原から鞍馬にということになりそう。でも、三連休にそんなところに行ったら大混雑がオチ、へそ曲がりとしては超有名な場所は避けたい。そこでJR西日本の駅でもらったハイキングの冊子、11月23日だけでもずらりと並んでいるぞ。あまり混まない場所となれば、アクセスが良くないと相場が決まっている。関西線の伊賀上野駅から島ヶ原駅へ、木津川沿いに歩くというコースが目にとまる。

JRのハイキングなのに、遠回りになる近鉄で出かける。11月末までの株主優待乗車証が残っているし、伊賀神戸・伊賀上野間の伊賀鉄道は未乗だし、ちょうどいい機会だ。大和西大寺、大和八木と二回の乗り換えで伊賀神戸駅に向かう。見慣れぬ貸切電車を大和八木駅で見かける。「かぎろい」と命名された2両編成の車両、どこまでなのか行先表示はない。近鉄系の旅行会社クラブツーリズム専用の模様だ。外観は地味目でも内装はなかなか立派。てっちゃんは興味津々。

伊賀鉄道、以前は近鉄伊賀線だったから、近鉄のままなら伊賀上野まで乗れたはず。昔は小豆色の近鉄カラーだったが今は派手な忍者イラスト、車掌さんなのかどうか、背中に「忍」の法被のおじさんが社内で切符を販売。忍者の里を前面に出しての営業と見える。当地の生まれの芭蕉の370年もあるけど、家族連れの動員ならやはり忍者。

大概てっちゃんは寡黙でネクラなものだが、私のようなおっさんは別、先頭車両のお立ち台に並んで話しかける。
「近鉄と違って狭軌なんですねえ」
「伊賀上野でJRと接続するんで、貨物なんかが入りますねん」
「なるほどねえ、前は近鉄やったのにねえ」
「経営が変わってもう7年になりますわ」
「ところで、なかなか派手なん着たはりますなあ」
「観光キャンペーンで、会社から土日はこれを着るように言われてますねん」
「ちょっと写真撮っていいですか…あっ、いやいや、後ろ、後ろ」

さて、伊賀上野駅に到着、むかしの国鉄の駅の常として街はずれ。二つ手前のお城のあるあたり、上野市駅が街の中心、そこまではだいぶ距離がある。伊賀上野駅前の駐車場には集合時刻前でもだいぶ人が集まっている。地元ケーブルテレビのおねえさんが二人、このイベントの取材なんだろう。島ヶ原観光協会の人やら、JR関西本線電化を進める会の人とか、主催者の挨拶があって歩き出す。300人ぐらいだろうか。ただ、一斉にスタートというのも困りものだ。

しばらくは田園地帯ののんびりしたウォーク、昔の街道筋を離れて木津川沿いの道になるところが岩倉峡公園、芭蕉の句碑やら木津川に架けた吊り橋などがあり、JRのハイキング以外にも紅葉狩りの人が出ているようだ。流れに近い巨岩では若者がマウンテンバイクに興じている。いろいろな楽しみ方、それぞれの晩秋ということ。

歩道は右岸を辿る。しばらく行くと旧巌倉水力発電所跡、明治の頃ここに地元の資本家による発電所があったらしい。戦後まもなくまで稼働し、水害で廃止に至ったとのこと。木津川右岸に水平に近い水路を造り、本流に落として発電ということだが、大した落差じゃないし発電量もわずかだろう。地元に電力を供給するという目的ならそれでよかったのかも知れない。

旧水路がハイキングコースになっている。このあたりの紅葉がいい。歩く人は凹んだルートを行くのだが、石垣のうえにも道がついている。私は上段の道、紅葉の下でお弁当を開く。もともと集団の最後尾に近い位置を歩いていたので、集団はとっとと先に行ってしまう。

遅ればせながら、主催者が昼食場所に指定している島ヶ原温泉やぶっちゃに到着。田園の真ん中に温泉施設というのも奇妙なものだが、のんびりしていてこれもよし。広場ではあちこちでお昼ごはんの様子、地元の振る舞いの豚汁と草餅に列ができている。たっぷり準備していただいたようで、私のような最後のハイカーにも食い扶持が回ってくる。有り難いこと。

ここの出発は14:00とのこと。私が到着してからでも1時間あまりある。ずいぶん長い昼食タイムだ。さて、ここが思案のしどころ、正月堂、西念寺、石薬師堂を経て島ヶ原駅までのコースが残っているが、ここから島ヶ原駅までの無料送迎バスの便もある。温泉に浸かってしまえば、歩くのはおっくうになること必定。しかし、温泉の誘惑抗しがたい。そもそも出発時に入浴割引券まで付いているんだし。

出発準備のハイカーを横目に、送迎バスに乗ったら10分ほどで島ヶ原駅に到着。小一時間もすれば現れる人たちを目掛けて地元の特産品の陳列も始まっている。柚子ぽん酢を買って一足先に帰路に着く。JR関西本線電化を進める会のためにも、帰りは近鉄じゃなくJRで。加茂から先、大阪方面は電化されているが、そこまでは正真正銘のローカル線、ヘンに電化などしないで風情を保ってほしいような気もするが、地元の人にとっては大阪・名古屋への直通運転は悲願なのかも。

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