雨の酒蔵ウォーク ~ 大倉本家
2015/3/1

年度末ともなると何かと忙しくなるので今シーズンの「酒蔵みてある記」もこれで打ち止めかな。生憎の雨、でも平地のハイキングなら問題なし、参加者も減るだろうし試飲もたっぷりなんて良からぬ皮算用も。

集合は近鉄南大阪線の尺土駅から徒歩10分ほどの木戸池公園、池の畔の四阿が受付になっている。ここから市街地を抜け、葛城市相撲館(けはや座)を経由し當麻寺に向かう。けはや座は前に別のコースで通ったことがある。當麻寺にしても何度目かになる。何年か前には工事中だったように思うが、それも完了しているようだ。

當麻寺の隣には中将姫の墓、ここからは人家も少なくなりハイキングコースらしくなる。多少のアップダウンがあって山間の傘堂の前に出る。一本足の奇妙な建造物、奈良県指定有形民俗文化財ということで、地元の人が作ったものか説明のチラシがあった。以前には置かれていなかったように思う。それとも私が見落としていただけか。

このチラシ、読んでみると非常に興味ぶかい。葛城市のホームページには「郡山藩主本多政勝候の菩提をとむらうため、その影堂として、恩顧の家臣やこの地域の農民たちによって延宝2年(1674)に建立された」と書かれているだけだが、チラシには「もともとここに吊り下げられていた梵鐘には、『恋王の私情に勝えず』『一恩永伝』等の言葉が刻み込まれ、独特の君臣関係にあったことが推測されます」とある。これは非常に微妙な表現だ。「特異な建立の経緯にもかかわらず、毀誉褒貶されることもなく、三百年以上もひっそりと歴史の流れの中に佇んできました」ともあるから、口にするのが憚られる関係だったのだろうか。

山間から平地に下りてゴールの酒蔵を目指す。二上山の麓の道の駅でお昼にしたときは降っていた雨も止んだ、田圃のなか鎌田集落に「金鼓」の大倉本家がある。酒樽と小さな女の子がお出迎えだ。前回来たときは酒蔵前に列ができていたのに天気が悪いと人出もずいぶん違う。かくして、試飲も好きなだけの大判振る舞いとなる。

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