大峰山脈・大天井岳に登る
2015/10/8

大峰山脈でまだ登っておらず、しかも短時間で登れるところと考えて、大天井岳を思いついた。ここは山上ヶ岳の登山口、洞川から川上村に通じる林道をさらに奥に入り、トンネルの手前から登る。1時間ほどで山頂に至るはずだ。

お馴染みの国道309号を天川村に向けて走る。途中の丹生川上神社下社にお参り。ここも何度も来たところだ。でも今まで姿を見たこともない神馬が境内にいる。神社の人に聞けば、雨が降らなければいつも出しているとのことだったが、おかしいなあ。初めて見るということは、神馬は最近やって来たのだろうか。白と黒の二頭がいるようで、この日は黒馬、こちらは雨乞いの役回りらしい。境内には天誅組の碑や立派な多羅葉の木がある。これらもずっとここにあったはずなのに、なぜか記憶にはない。

丹生川上神社下社 天誅組の碑 境内の多羅葉 神馬

洞川から車で10分も登れば五番関トンネル入口に着く。道が崩れて川上村へは抜けられないようだが、洞川からここまでは何の問題もない。ちょっとした広場になっており、稜線上の奥駆道の五番関への道標がある。かなりの急斜面を登ること10分でもう稜線だ。ここが五番関、山上ヶ岳北方の女人結界になる。「平成9年に大峰山が女人解禁になったかのような一部の報道があったが、あれは誤りで、未だ女人禁制である」ことをしつこく説明した看板が立っている。実際のところ、こっそり登った女性もいるに違いない。

五番関トンネルからの登り口 五番関の女人結界 五番関から大天井岳方面へ 奥駆道

このあたりの奥駆道は快適な尾根歩き、 頂上に近づくにつれ傾斜は緩やかになっていく、そろそろ頂上かと思えば、まだ先に少し高いところがあるというような感じ。結局、歩き始めて約1時間、1439mの三等三角点の山頂に到達。平日の山登り、紅葉もまだ先、出合ったのは老夫婦一組のみ。静かな山頂である。風も出てきた。気温はうすら寒い感じ、今年は秋が早い。

山上ヶ岳方面を望む 大天井岳近く、緩やかな稜線の奥駆道 大天井岳近く頂上の私

大して汗もかかない山登りだったが、さっと下山して洞川温泉に浸かると、やはり心地よいもの。そんなに広くないお風呂でも、人が少ないからゆったりだ。これからの紅葉の季節、週末になると芋の子を洗うようになるはず。

大天井岳という山はここだけではない。何と言っても北アルプスの大天井岳が名高い。あちらは「おてんしょう」という読みだが字面は同じ。燕岳から常念岳へと南北に続く稜線と、西に向かう槍ヶ岳への稜線の結節点にある。こちらの大天井岳は高さは半分程度しかないが、登山道が走る稜線の結節点にあることは同様だ。何よりも縦走路がピークを踏まず巻き道で迂回しているところがそっくりだ。その先の名高い山に向かう登山者からすれば、途中の余計なアップダウンを回避したいだろうし、鞍部の山小屋経営者の思惑もあって巻き道が拓かれたのだろう。なんとなく不遇な山だ。

大天井岳の1/25000地図 巻き道通行禁止の表示 北アルプス大天井岳の1/25000地図

ところが、こちらの大天井岳は巻き道が崩落して現在は通行不能になっている。先年の奈良県南部の豪雨災害の影響なのだろうか。吉野から山上ヶ岳に向かう登山者(行者も?)は、途中に水場もある巻き道を選択していたかも知れないが、今は本来の稜線の奥駆道を行くしかない。バイパスが不通になって旧道の賑わいが戻るようなものか。世界遺産となって日も経つ。今日の感じではさほど賑わっているとも思えないけど。

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