ご近所の城山へ 〜 藪漕ぎは空振り
2015/10/15

最近は家にいる時間が長くなって、どうも運動不足だ。お腹周りも真性メタボになりつつある。これは、意識して歩かないといかん。
 そんなことで、散歩がてらに近所の山へ。道があれば小一時間のものだろうが、ネット上では藪漕ぎを余儀なくされたといった情報もある城山を目指す。

名阪国道の巨大な陸橋、中畑橋 再び名阪国道と交差する 車道の終点

いつも走る名阪国道ではなく、下の道を行く。国道25号バイパスである名阪国道は、天理から巨大なオメガカーブを描き標高500mの大和高原に駆け上る。しかし、下の道は最近は谷沿いに集落を結んでいく。路線バスも走っているようだが、集落の中は対向できない場所も多い。慎重にハンドルを切る。名阪国道の高架は中畑橋、谷筋を名阪国道と同じ高さまで登っていくと、中畑集落のはずれで再び交差する。
 さらに奥に進むことしばし、車道は行き止まりとなる。少し先まで舗装道路は続いているが、福住と矢田原を結ぶ道には繋がっていない。地図上の直線距離なら200mほどだけど、比高が70〜80mほどある加減かも。早い話がここが車道の行き止まり、小型四駆なら登れそうな道が分岐しているが無理はしない。ここからは歩きだ。

藪漕ぎ用の軍手 山仕事の道か 城山へは分岐を右に

藪漕ぎになってもせいぜい50mほどの高度差だと思うが、いちおう長袖に軍手、眼を保護し暗いところでも凹凸がくっきりする黄色いサングラス、こいつもポケットに入れていざ出発。しばらくは地図にある山仕事の道を行く。

城山の南側を西に進み、傾斜が緩くなった辺りで、北東方向に三角点を目指して藪漕ぎしようというのが私の目論見だ。ほぼ地図の破線どおりの道が続いている。やがて道は二股に分かれ、登っていく右の道をとる。車止めなのかチェーンが張られていて、それを潜って先に進む。そろそろ藪漕ぎかなと思った頃、城山の方向へ踏み跡が現れる。なあんだ、道があるじゃないか。どこまで続いているか行ってみなければ判らないが、方向が狂わない間はこれを進むことにする。

城山頂上の鳥居 城山頂上に祀られた五神

登山道とも言えないし、さりとて獣道というほどでもない。いつまで経っても藪漕ぎは始まらない。こうなると軍手も手持ち無沙汰、もう頂上も近いはず。すると、行く手に赤い鳥居、へえー、こんなところに。ということは、ここが城山頂上かも。

城山に続く山道 城山頂上の三角点

鳥居の奥には「大宮姫大神」を中央に、五つの石碑が並ぶ。五神を祀っているということか。地元の信仰があるのだろう。お詣りする人もいる様子だ。謂われが書いたものは辺りに見当たらない。ここまで参道というには「いとかそけし」踏み跡なのに。何だか不思議な神様だ。

大宮姫大神の背後が城山山頂だった。三角点の標識と山名標がある。三角点があるということは、昔は展望が開けていたのかも知れないが、今は木立の中だ。結局、藪漕ぎは全くせず、迷うこともなく山頂に到達したことになる。私の山勘も衰えていないなと自讃する。まあ、1/25000の地形図を見たら、ルートの想像はつくものだ。人のすること、どういうふうに道を付けるかの発想は同じということだろう。

電子国土Webでの城山付近 25000分の1地図での城山付近

家に戻って国土地理院の電子国土Webを見て驚いた。私の辿ったルートがちゃんと破線で記入されているではないか。私が山歩きに持参した1/25000の地形図は、最近の世界測地系へ移行後のものだが、山頂までの道筋は全く記載されていない。それで藪漕ぎ覚悟ということになったわけだ。

つまり、最近の改訂で山頂までの道が書き加えられたということになる。航空測量による修正が中心だとばかり思っていたら、こんなありやなしやの山道まで情報が更新されているとは驚きだ。地元自治体からの情報か、それとも現地踏査によるものか、知る由もないが、さすが日本の国土全域をカバーする基本図と、感心することしきり。結果的に100点満点のルートファインディングではあったが、やはり藪山歩きに電子国土Webのプリントアウトは必携なのかも。

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