なんだ、藪漕ぎ 〜 天神山に登る
2015/11/6

天神山付近の地形図

天気の具合を見極めて、今日はちょっと歩こうとなるので、事前の計画など何もない。トイレで1/25000の地形図を何枚か眺めて適当な山を探す。無名の山だと峠越えの道はあっても頂上への道がないこともある。今回選んだ天神山は、いちおうてっぺんまで破線が繋がっている。長谷寺のほうから登ったという報告もネット上にはあるようだ。
 最新の電子国土には初瀬ダムも出ているが、古い地図にはダムもダム湖もない。とりあえずプリントアウトして行こう。

平日とはいえ観光シーズンなので、国道165号初瀬街道は避けて、名阪国道福住インターを経て北側からアクセスする。ダムの南側、地図で温泉マークのあるところから破線が頂上に繋がっているのでこの道が第一候補、ところが着いてみると、ここは長谷寺温泉の泉源施設で立入禁止となっている。それならと、ダムサイトまで引き返し、ダムの左岸、天神山の途中まで破線の入ったルートに変更だ。少し太めの破線なので、山仕事のクルマぐらい入る道かも知れない。

初瀬ダム まほろば湖畔から登り出す 作業道は尾根に向かう 頂上までは藪漕ぎ

ダムを渡って二つ目の展望スポットにクルマを置く。ここには3台ぐらいの駐車スペースが設けられている。20mほどダム側に戻ったところから山中に入る。二本ある道の駐車位置に近いほうをとる。車止めのチェーンがあるが、幅はともかくこの角度と地道じゃどだい無理なんじゃないかと思うような道だ。それでもどんどん急傾斜で続いているから不思議、だんだん尾根も近くなる。

これなら藪漕ぎはほとんどないだろうと思ったとおり、最後の標高差30mほどの藪漕ぎで済んだ。二つのピークがあるが、間違いなくここが三角点のあるてっぺんだ。それにしても、あの幅の広い車道とも言えない道はいったい何なんだろう。山仕事用であるのは間違いないが、どう使うのか木材切り出し用なのか、ちょっと謎だ。
 頂上はご多分に漏れず展望は得られない。木々の中に三角点、地味な山にしては山名標がたくさんある。奈良県が選定した「奈良百遊山」に含まれているらしく、そんな標識もある。この「奈良百遊山」というのは曲者で、百座を揃えるために無理筋のものもかなり入っている。登る人もなく道は荒れ放題、行ってみたら道が見つからないとかの話も多い。そんなこともあってか、県のほうもホームページでの公開は中止しているようだ。この天神山もハイキング気分で出かけるとえらい目に遭う部類だろう。そんなクレームが県に寄せられたと想像できる。

天神山頂上には山名標が 天神山頂上 頂上の三角点

三角点に腰を下ろしおにぎりを頬張りながら考える。登ったコースを戻れば30分ほどで湖岸に辿り着くが面白みに欠ける。長谷寺のほうに下ると車道をダムサイトまで歩かなければいけない。どっちにしたものかと迷った結果、車道歩きも大した距離ではないし、南の尾根を長谷寺方面に向かうことにする。道の表示はないが地図に天満宮とあるあたりに下りることができるだろう。

初めは尾根伝いに踏跡が続き随所にテープの目印などもあったのだが、中腹あたりになると尾根も不明瞭となり、だんだん踏跡も怪しくなる。おやおや、ここで藪漕ぎか。下りのルートファインディングのほうが登りよりもずっと難しい。腹をくくって尾根から谷筋に下りる。倒木を乗り越え、ゴロゴロの石に足を取られながら下っていく。泥濘んだところも多く靴もドロドロだ、やれやれ。そんなこんなで、下りていくと、與喜天満神社の石段の下に飛び出した。ぴったり目標どおり。もっとまともな道もあったんだろうが、ともかくドンピシャ、藪漕ぎのおかげで大汗をかいたけど、当初予定どおりの着地となる。

與喜天満神社の参道に下山 與喜天満神社 長谷寺 天神山

長い石段を上がり與喜天満神社にお詣りする。ここは日本最古の天神らしい。ああ、それで天神山なのかと、間抜けなことに今ごろ合点がいく。與喜山とも呼ぶらしい。川を挟んだ向かい側の長谷寺は観光客で賑わっているはずだが、ここには誰一人いない。静かなパワースポットで一休みだ。

長谷寺の前は素通り。私の生まれは榛原なので、長谷寺は隣の駅、ここには子供の頃から何度も来ている。門前の商店の店先で差し出された草餅の試食をありがたくいただく。運動のあとだと甘いものが美味しいのだ。あとはダムサイトまでのんびりと登っていくだけ。

まほろば湖より鳥見山方面を望む
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