紅葉の穴場を探す 〜 天開山泰運寺
2015/11/15

天開山泰運寺付近の地形図

朝には雨が上がるという予報だったが、天候の回復が遅れているようだ。行楽の人出も少なくなるかな。ちょうど今は紅葉狩りの季節、京都・奈良の名所はどこも混むと決まっていから、どこかいい場所はと探してみたら、奈良と三重の境を越えたところの天開山泰運寺が目に付いた。先日登った三峰山の南側中腹にあるお寺、行政区では松阪市になる。

国道166号で高見峠を越える。正月に走ったときの積雪を思い出す。三重県側に入った最初の集落が波瀬、松阪からのバスの終点になる。奈良県側のバスの終点は杉谷の高見山登山口なので、この間10kmほどの県境越えに路線バスはない。さすがにこのルートだと蛭子さんは歩けないだろうなあなんて、テレビ東京系「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」を連想する 。今度はどこだろうと、お正月番組が楽しみ。

参道脇の観音像 園地の中の参道 錦鯉に紅葉 鐘楼

波瀬集落から国道と別れ口窄谷に入る。その名のとおり、櫛田川の出合のところが狭まっていて奥に行くと谷幅はすこし広くなる。好天のときだと車で入ったら団子状態になってしまいそうな対向困難な林道だ。「国道166号線から約1.7kmを徒歩で歩くと、33体の観音像を巡りながら紅葉狩りとともにウォーキングを楽しむことができる」と「観光三重」のホームページにある。

鐘楼の屋根に紅葉 境内の紅葉 中央構造線の露頭 八角梵鐘

雨上がりだけあって紅葉が洗われて輝きを増している。お寺の門前は園地になっていてその真ん中を石段が続く。桜が並んでいるから春の眺めも見事なのだろう。本堂は閉まっていてそっけない。園地、境内を勝手にどうぞという鷹揚なスタイルだ。当然、駐車料金、参拝料などはない。散策する人はちらほら程度、寺の人の姿も見かけない。駐めている車はほとんど三重ナンバーなので、地元の人しか訪れない名所のようだ。八角梵鐘 がここのお寺の重要文化財、お賽銭を入れて好きに突けばいい。音はやや割れ気味だ。こちらは文化財指定は受けていない大黒天はどことなくユーモラス。

大黒天 池の紅葉 園地の紅葉

鐘楼の屋根に落ちた紅葉、池に浮かぶ紅葉、京都の寺のような喧騒はどこにもなく、ゆっくりと晩秋に浸ることができる。いいところだ。それと、ここには僅かながら中央構造線の露頭があり白い線状の紋様が入った岩がそれだと言う。近くの月出では大規模な断層が見られるらしい。今度、山登りのついでに訪れてみよう。

戻りは蓮ダム経由のルートにする。前に来たときホテル・スメールの売店にあった干し椎茸が立派だったとカミサンが言うものだから。正月の準備には早い気もするけど。そんなことで、高見峠の前にもう一つの峠越えとなる。加杖坂峠を下り国道166号に合流する手前、栃谷の集落の紅葉も見事で思わず車を停める。

自宅から片道2時間あまり、いかにも綺麗に作りましたというような京都の紅葉にはない素朴さが好ましい山間の錦秋だった。

春には桜、今は紅葉 銀杏の立木 栃谷集落にて
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