大峰山脈展望台、観音峯に登る 〜 往きはよいよい
2015/11/20

この季節の週末ともなると、大峰山脈の麓、みたらい渓谷も賑わうだろう。紅葉は先日の泰運寺で堪能したので、ちょっとしたウォーキングにと観音峯を目指す。ここはみたらい渓谷遊歩道の途中から別れて登る、山上ヶ岳や稲村ヶ岳の前衛の稜線だ。洞川の手前、観音峯登山口の休憩所に車を駐める。登山届のポストもあるので、往復するだけだが家にも行き先を言っていないし、いちおう登山届を書く。マイクロバスが到着し、中高年者が10人ほど下りて来た。ここで昼食というから、みたらい渓谷を下って紅葉狩りなのか。

観音峯付近の地形図 観音峯ハイキングコース案内図

休憩所から吊り橋を渡ったらすぐに登りとなる。このあたりの山は古くから登られているので、道のつけ方がしっかりしている。極端な傾斜の差が出ないように、適宜ジグザグが切られているので登りやすい。観音峯ハイキングコースの随所には南朝の歴史の解説板が岩に埋め込まれている。ここ天川村は南朝と関わりが深いところだ。

コースタイムは登り約2時間、休憩を入れて大体それぐらいの時間だろう。途中に立派な休憩所があり、そこからは露岩が現れ少し急な登りとなる。観音の岩屋という岩小屋があり、小さな観音像が鎮座している。入口は狭いが奥は少し広くなっていて、数名なら雨露をしのげるスペースがある。大峰には大きなものから小さなものまで、岩小屋が散在している。これも修験道の地らしいところだ。

ハイキングコース入口の吊り橋 観音峯への登り 観音の岩屋 観音峯展望台

観音峯展望台のあたりは茅の原になっていて展望が開ける。弥山方面はまだ少し雲がかかっているけど、観音峯まで往復する頃には晴れ上がっているに違いない。展望はあとのお楽しみとして先を急ぐ。展望台から見えるピークまですぐだが、ここは観音峯のまだまだ手前、しばらく行かなければ三角点には達しない。

弥山方面の眺め

展望だけならそれこそ観音峯展望台だけでいいのだが、いちおう上まで行ってみる。この先、法力峠まで尾根を辿れば稲村ヶ岳の登山道に合流するのだけど、そちらの方が時間がかかる。今日は往復と決めていたし、登山届にもそう書いた。下りは1時間少しだろう。

山上ヶ岳方面から弥山方面まで
山上ヶ岳方面から弥山方面まで (ダブルクリックすると拡大しスクロール、クリックでもとに戻る)

再び観音峯展望台、予想どおり山腹の雲はすっかり消えた。 山上ヶ岳から稲村ヶ岳、大峰奥駆道の大普賢岳とか行者還岳とかは、ここからだと稜線の向こうに隠れていて、その続きの弥山が姿を現している。個別にはほとんど登ったけど、奥駆道の縦走はしたことがない。吉野から熊野本宮まで歩くと一週間はかかるだろう。行ってみたい気もするが、食料、寝具持参になるから、北アルプスの縦走ほどお手軽ではない。それに、そこまで修行したいとも思わないし…

稲村ヶ岳と大日岳 観音峯の三角点 洞川温泉センター

予定どおり午後3時には登山口に戻る。そこで予定になかったことが…

平日のこととて観音峯に登る人など他にいない。駐車場には私の車が1台だけ。さて帰路につこうと車のキーを回すと…エンジンがかからない。なんでと何回もトライするが、メーターの針が振れるだけで始動音は聞こえない。ありゃあ、バッテリーが上がっている。なんちゅうこっちゃ。

この観音峯登山口は天川村から登って来ると、途中に一箇所あるトンネルを抜けてすぐのところだ。まさに出たとこが駐車場、ヘッドライトを消し忘れていたのだ。出てから少しでも走っていたらカーナビの表示モードでも気づくはずだが、これは落とし穴にはまってしまった。悪いことは重なるもので、スマートフォンも家に忘れてきている。登山口にはトイレはあっても人家なんてない。弱り目に祟り目。

ここにいても埒があかないから、トンネルの前で洞川方面に向かう車に手を挙げる。最初に通りかかった地元のおじさんの軽トラックに泥川温泉センターまで便乗させてもらう。そこから保険会社を通じてロードサービスを手配、結局、トラブル発生から目出度くエンジン始動まで、連絡やら待ち時間やらで2時間近くかかってしまう。ブースターケーブルを積んでいそうな地元の車をつかまえて救助を頼んだら早く片付いたかも知れないけど、こればかりは何とも。迂遠なようで正攻法が確実かも知れないし。

便乗させてもらった軽トラックのおじさん、電話連絡や救助待ちの便宜をはかってもらった洞川温泉センターの皆さんには感謝することしきり。さっそく翌日には御礼状を出す。結局、時間的には一風呂浴びる余裕はあったけど、入浴中でロードサービスを待たせるわけにいかないからなあ、洞川温泉にまた行こう。

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